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平成21年度 行政書士試験 問題30は、「催告」に関する組合せ問題でした。

催告に関する横断的問題で、良問だと思います。
ただ、問題28と比較すると、いかにも条文にあわせて事例を作成したことが見え見えで、この点は残念ですね。

なお、肢エは、その肢だけを見れば「正しい」と判断することもできます(大は小を兼ねるという事案です)。
しかし、他の肢との関係で、この肢を「正しい」とすると、正解肢が2つ以上になるので、問題表紙の注意事項に反することになります。なので、肢エは、「Hは、買受け後6ヶ月を経過した後 『にのみ』」というように限定して読まなければなりません。

では、平成21年度 行政書士試験 問題30の解答解説を載せておきます。






問題30 催告に関する次のア~オの各事例のうち、民法の規定および判例に照らし、正しいものの組合せはどれか。

ア Aは成年枝保佐人であるBとの問で、Bの所有する不動産を購入する契約を締結したが、後日Bが制限行為能力者であることを知った。Aは、1ヶ月以上の期間を定めて、Bに対し保佐人の追認を得るべき旨を催告したが、所定の期間を過ぎても追認を得た旨の通知がない。この場合、その行為は追認されたものとみなされる。

イ CはDとの間で、C所有の自動車を、代金後払い、代金額150万円の約定でDに売却する契約を締結した。Cは自動車の引き渡しを完了したが、代金支払期日を経過してもDからの代金の支払いがない。そこでCはDに対して相当の期間を定めて代金を支払うよう催告したが、期日までに代金の支払いがない。この場合、C・D間の売買契約は法律上当然に効力を失う。

ウ Eは知人FがGより100万円の融資を受けるにあたり、保証 (単純保証) する旨を約した。弁済期後、GはいきなりEに対して保証債務の履行を求めてきたので、Eはまずは主たる債務者に催告するよう請求した。ところがGがFに催告したときにはFの資産状況が悪化しており、GはFから全額の弁済を受けることができなかった。この場合、EはGが直ちにFに催告していれば弁済を受けられた限度で保証債務の履行を免れることができる。

エ Hは甲建物を抵当権の実行による競売により買い受けたが、甲建物には、抵当権設定後に従前の所有者より賃借したIが居住している。HはIに対し、相当の期間を定めて甲建物の賃料1ヶ月分以上の支払いを催告したが、期間経週後もIが賃料を支払わない場合には、Hは買受け後6ヶ月を経過した後、Iに対して建物の明け渡しを求めることができる。

オ Jは、自己の所有する乙土地を、その死後、世話になった友人Kに無償で与える旨の内容を含む遺言書を作成した。Jの死後、遺言の内容が明らかになり、Jの相続人らはKに対して相当の期間を定めてこの遺贈を承認するか放棄するかを知らせて欲しいと催告したが、Kからは期間内に返答がない。この場合、Kは遺贈を承認したものとみなされる。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・オ
5 エ・オ







問題30 正解 4
ア 誤り
 民法20条4項は、「制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。」と規定している。
 このように、被保佐人が所定の期間内に保佐人の追認を得た旨の通知を発しない場合は、その行為を取り消したものとみなされる。
 したがって、被保佐人が所定の期間内に保佐人の追認を得た旨の通知を発しない場合は、Bの行為は、追認されたものとみなされるとの記述は誤りである。

イ 誤り
 民法541条は、「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。」と規定している。
 このように、催告期間内に履行がない場合は、相手方は、契約の解除をすることができる。
 したがって、催告期間内に履行がない場合は、C・D間の売買契約は、法律上当然に効力を失うとの記述は誤りである。

ウ 正しい
 民法452条本文は、「債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。」と規定し、同条455条は、「第452条又は第453条の規定により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。」と規定している。
 このように、まず主たる債務者に催告をすべき旨の保証人の請求があったにもかかわらず、全部の弁済を受けられなかった場合において、債権者が直ちに催告をすれば弁済を得ることができた限度において、保証人は、その義務を免れる。

エ 誤り
 民法395条1項は、抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって、競売手続の開始前から使用又は収益をする者、又は強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者 (次項において「抵当建物使用者」という。) は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しないと規定し、同条2項は、「前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその1箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。」と規定している。
 このように、抵当建物使用者は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しないが、買受人の買受けの時より後にその建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその1箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、競売後の明渡しの猶予を受けることができない。
 したがって、Hは、支払いの催告後、直ちにIに対して建物の明渡しを求めることができるから、Hは、買受け後6ヶ月を経過した後 (にのみ)、Iに対して建物の明け渡しを求めることができるとの記述は誤っている。

オ 正しい
 民法987条は、「遺贈義務者 (遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。) その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。この場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす。」と規定している。

以上により、正しいものは、ウ・オであるから、正解は4になる。

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2009.12.20 Sun l 行政書士試験 平成21年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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