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平成21年度 行政書士試験 問題29は、「抵当権」に関する組合せ問題である。

根抵当権等の実務的な問題が出題されており、好印象です。

ただ、受験者にとっては、あまり見慣れない条文ですので、捨て問とされた方が多いかもしれません。
もっとも、肢ウ、エ、オに関する知識は、身につけておくべき事柄ですから、得点すべきです。

では、平成21年度 行政書士試験 問題29の解答解説を載せておきます。








問題29 Aに対して債務を負うBは、Aのために、自己が所有する土地に抵当権を設定した(他に抵当権者は存在しない)。この場合における抵当権の消滅に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア Aの抵当権が根抵当権である場合において、Bが破産手続開始の決定を受けたときは、被担保債権は確定して満足し、根抵当権は確定的に消滅する。

イ Aの抵当権が根抵当権である場合において、元本が確定した後に、Bから土地の所有権を取得したCが、極度額に相当する金額をAに支払い、根抵当権の消滅請求をしたときは、確定した被担保債権の額が極度額を超えていたとしても、Aの根抵当権は、確定的に消滅する。

ウ BがAに対し、残存元本に加えて、最後の2年分の利息および遅延損害金を支払った場合には、Aの抵当権は、確定的に消滅する。

エ 第三者Cが、土地の所有権を時効によって取得した場合には、Aの抵当権は、確定的に消滅する。

オ 第三者Cが、BのAに対する債務の全額を弁済し、その弁済と同時にAの承諾を得ていた場合には、CはAに代位することができるが、抵当権は、確定的に消滅する。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・オ









問題29 正解 3
ア 妥当でない
 民法398条の20第1項4号は、債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けた場合には、根抵当権の担保すべき元本は、確定すると規定している。ここに元本の確定とは、根抵当権の被担保債権がその流動性を失い、元本債権と根抵当権とが結びつき、それ以後において発生する債権は、もはやその根抵当権によっては担保されなくなる状態をいう。
 したがって、Bが破産手続開始の決定を受けた場合には、根抵当権の担保すべき元本が確定するのみで、根抵当権が確定的に消滅するわけではない。

イ 妥当である
 民法398条の22第1項前段は、「元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。」と規定している。
 したがって、Cが、極度額に相当する金額をAに支払い、根抵当権の消滅請求をしたときは、確定した被担保債権の額が極度額を超えていたとしても、Aの根抵当権は、確定的に消滅する。

ウ 妥当でない
 民法375条1項本文は、「抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。」と規定している。この規定は、後順位抵当権者や一般債権者の利益を保護する趣旨であるから、これらの者がいないときは、利息等の全部について弁済を受けることができる。
 したがって、BがAに対し、残存元本に加えて、最後の2年分の利息および遅延損害金を支払った場合でも、Aの抵当権は、消滅しない。

エ 妥当である
 民法397条は、「債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。」と規定している。
 したがって、Cが、土地の所有権を時効によって取得した場合には、Aの抵当権は、確定的に消滅する。

■ 抵当不動産について取得時効が完成すると、占有者は、原始的に所有権を取得し、その反射として、従前の所有者は、所有権を失い、当該不動産上の権利 (たとえば、地上権、抵当権等) は消滅する。しかし、本来、債務ないし責任を負う債務者又は抵当権設定者についてこの効果を及ぼすことは不合理である。そこで、民法397条は、債務者及び抵当権設定者について、この効果が及ばないこととした。

オ 妥当でない
 民法499条1項は、「債務者のために弁済をした者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる。」と規定し、同法501条前段は、「前2条の規定により債権者に代位した者は、自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内において、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。」と規定している。このように、第三者による弁済によって消滅するはずの債権及び担保権は、債権者から弁済者に移転し存続する。
 したがって、Cは、Aに代位することができるが、抵当権は消滅しない。

以上により、妥当なものは、イ・エであるから、正解は3になる。

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2009.12.19 Sat l 行政書士試験 平成21年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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