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平成17年度 行政書士試験 問題50は、「日本銀行の役割」に関する組合せ問題でした。

解答速報で答えが割れた問題であり、受験生には、不運な問題としか言いようがありません。
なので、捨て問です。

答えが割れた原因は、肢Dの「日本銀行は考査を通じて、銀行を指導・監督する」という部分です。
皆さんもご存知のとおり、銀行を指導・監督するのは金融庁ですからね。
そうなると、誤りだとおもっていた肢Cが「正しい」肢だと見えるようになります。
しかし、困ったことに、「日本銀行は、必要に応じて、法定外の公債の引受けを行う」という内容は、いかにも財政法5条との関係でおかしく見え、ありゃりゃ!となってしまいます。

そこで「法定外の公債の引受け」は、意味不明だから、もしかしたら、私の知らない特別な意味があって、この肢は正しいかも!と思える方が出てきます。
こういう方には、最初から学習をし直しなさいと申し上げたくなります。
財政法5条の趣旨から考えれば、日本銀行は、必要に応じて(「迫られ」ではない)、(好き勝手に)法定外の公債の引受けを行ったらインフレのおそれが生じるでしょう!
ですから、財政法5条の「特別の事由がある場合」は、日本銀行が公債を引き受けてもインフレのおそれのない特別の事由がある場合と解釈すべきことになるんです!

とすれば、肢Dの「指導・監督」は、筆がすべったかも!と思って、許してやるくらいで見逃せると思います。

以上の理由で、肢Cを正しい、肢Dを誤りと判断するのは、筋があまりよろしくない感じです。

しかし、そうはいっても、没問とすべきですね!!

では、平成17年度 行政書士試験 問題50の解答解説を載せておきます。






問題50 日本の中央銀行が現在果たしている役割に関する次の記述のうち、誤りが二つある。その組合せとして正しいものはどれか。

A 公定歩合の変更、公開市場政策による市中資金量と金利の操作、市中銀行が預託している準備率の変更を通じて銀行の与信量を増減する。

B 為替率の適正な水準を維持するため、外貨集中制を維持し、外国為替と貿易との一体的な管理を行う。

C 国庫金の出納を扱い、政府短期証券を引き受け、政府財政の資金繰りの調整を行うほか、必要に応じて法定外の公債の引受けも行う。

D 銀行の経営実態を把握し、必要に応じて銀行に対し考査を行い、その指導・監督を行う。

1 A・B
2 A・C
3 A・D
4 B・C
5 B・D







問題50 正解 4
A 正しい
 日本の中央銀行 (日本銀行) は、公定歩合 (=日本銀行が金融機関に直接資金を貸し出す時の基準金利) の操作、国債の売買等による公開市場操作 (オープン・マーケット・オペレーション)、市中銀行が日本銀行に預託すべきとされている保有預金の一定割合 (預金準備率) の変更等の手段を用いて、金融市場を通じて市中資金量や金利に影響を及ぼし、通貨及び金融の調節を行っている。

■ 日本銀行は、2006年 (平成18年) 8月11日に、これまで「公定歩合」として掲載していた統計データのタイトルを「基準割引率および基準貸付利率(従来「公定歩合」として掲載されていたもの)」に変更した。その理由につき、次のように述べている。「(注)日本銀行が金融機関に直接資金を貸し出す時の基準金利を「公定歩合」と言います。この言葉は、法律に規定されている用語ではなく、日本銀行法に規定されている「基準となるべき割引率」(基準割引率) と「基準となるべき貸付利率」(基準貸付利率) のことを指しています。「公定歩合」は、規制金利時代には、預金金利等の各種の金利が「公定歩合」に直接的に連動していたため、金融政策の基本的なスタンスを示す代表的な政策金利でした。しかし、1994年に金利自由化が完了し、「公定歩合」と預金金利との直接的な連動性はなくなりました。現在は、こうした連動関係に代わって、各種の金利は、金融市場における裁定行動によって決まっており、「公定歩合」は、2001年に導入された補完貸付制度の適用金利として、日本銀行の金融市場調節における操作目標である無担保コールレート (オーバーナイト物) の上限を画する役割を担うようになっています。現在の日本銀行の政策金利は、無担保コールレート (オーバーナイト物) であり、「公定歩合」には政策金利としての意味合いはありません。今回のタイトルの変更は、こうした点を踏まえて、かつて政策金利としての意味合いの強かった「公定歩合」という用語にかえて、「基準割引率および基準貸付利率」という用語を使用することとしたものです。」

B 誤り
 外貨集中制 (外国為替集中制) とは、輸入等によって得た外貨を外国為替銀行が全部円で買い上げ、これを政府に集中させる制度をいう。この制度は、1949年 (昭和24年) に制定された外国為替及び外国貿易管理法 (1997年 (平成9年) の改正により、法律名が「外国為替及び外国貿易法」に変更された。) 21条~23条において定められていた。しかし、1972年 (昭和47年) に当該制度は廃止された。
 また、通商産業省設置法4条1項18号は、経済産業省は、その任務を達成するため、通商に伴う外国為替の管理及び調整に関する事務をつかさどると規定している。したがって、外国為替と貿易との一体的な管理を行っているのは、日本の中央銀行 (日本銀行) ではなく、通商産業省である。

■ 1972年 (昭和47年) に外貨集中制が廃止されたことに伴い、居住者等は、国内にある外国為替銀行に外貨預金勘定を開設できることになった。

C 誤り
 財政法5条は、「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」と規定している。このように、本法は、日本銀行による公債の引受けを、原則として、禁止しているが、この趣旨は、日本銀行による公債の引受けを無制限に許すと、インフレとなるおそれがあるためである。このような趣旨から、「特別の事由がある場合」とは、たとえば、公開市場操作によって市場から購入した国債が償還期を迎えた場合において、これに対応する借換債を日本銀行が引き受けるようなときであり、日本銀行が必要に応じて、法定外の公債の引受けを行うことは認められていない。
 なお、①会計法34条1項は、「日本銀行は、政令の定めるところにより、国庫金出納の事務を取り扱わなければならない。」と規定し、②政府短期証券の公募入札において募集残額等が生じた場合及び国庫に予期せざる資金需要が生じた場合には、日本銀行が例外的に政府短期証券の引受けを行う仕組みになっているし、③政府にとっては,政府預金の残高が不必要に積み上がったり,逆に国庫金の支払いに支障を来すことがないよう,政府預金の残高を適切な水準に維持することが必要となるが、日本銀行は,財政収支の予測をに伝達することにより、政府の資金繰りの効率化にも寄与している。したがって、前半部分は正しい。

D 正しい
 日本銀行法44条1項は、「日本銀行は、第37条から第39までに規定する業務を適切に行い、及びこれらの業務の適切な実施に備えるためのものとして、これらの業務の相手方となる金融機関等 (この条において「取引先金融機関等」という。) との間で、考査 (取引先金融機関等の業務及び財産の状況について、日本銀行が当該取引先金融機関等へ立ち入って行う調査をいう。以下この条において同じ。) に関する契約 (考査を行うときはあらかじめ取引先金融機関等に対し連絡しその承諾を得なければならないものであることその他の政令で定める要件を備えたものに限る。) を締結することができる。」と規定している。このように、日本銀行は、銀行、証券会社等の取引先金融機関等の業務及び財務の状況についての実態把握を行うため、当該取引先金融機関等へ立ち入って行う調査 (考査と呼ばれている。) を行うことができる。

■ 日本銀行は、取引先金融機関等への考査のほか、面談、電話によるヒアリング、提出資料の分析等の立入りを伴わない調査 (「オフサイト・モニタリング」と呼ばれている。) も行っている。

■ 日本銀行の考査は、日本銀行法44条1項の規定の文言からも明らかなよう、一定の業務の相手方となる金融機関等との間で結ばれる契約に基づいて行われる。このように、契約の性質を有する考査を、「指導・監督」と呼ぶことには、疑問がある。なお、金融庁設置法4条3号は、金融庁は、その任務を達成するため、銀行業又は無尽業を営む者等の検査その他の監督に関する事務をつかさどると規定しているから、銀行に対する指導・監督を行うのは、基本的には、金融庁である。

以上により、誤っているものは、B・Cであるから、正解は4になる。

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2009.10.30 Fri l 行政書士試験 平成17年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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