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平成17年度 行政書士試験 問題48は、「議院内閣制」に関する正誤問題でした。

議院内閣制については、平成19年度にも出題がなされていますので、厚く学習しておくべき部分です。
正解肢も、基礎知識レベルですので、得点すべきです。

なお、市販の過去問の中には、一般知識について、文章理解のみを載せているものもありますので、購入の際には、社会等を勉強したい方は、注意してください。

では、平成17年度 行政書士試験 問題48の解答解説を載せておきます。






問題48 議院内閣制に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 大統領制に比べて議院内閣制のほうが権力分立の原理が忠実に適用され、立法権と行政権の分離が徹底される。

2 議院内閣制を採っている国々では、日本国憲法と同様に、議会が最高機関であるとする明文の規定を置いている。

3 議院内閣制の母国とされるイギリスでは、国民の政治的意思を忠実に反映させる選挙制度としての比例代表制が採用されている。

4 日本の地方自治体の制度は首長主義を採っているが、議会の長に対する不信任と長による議会の解散とを対抗させる仕組みは議院内閣制と同様である。

5 議院内閣制では、内閣の意思決定と政権党の意思決定が対立することが通例であるため、内閣の閣内不一致による総辞職が引き起こされやすい。







問題48  正解 4
1 妥当でない
 議院内閣制とは、内閣の存立が下院の支持を基盤とし、内閣は議会に対して連帯責任を負う制度をいう。これに対して、大統領制とは、行政府の長である大統領の選出を議会ではなく、国民に委ねることによって、行政府を議会から完全に独立させる制度である。このように、権力分立の原理が忠実に適用され、立法権と行政権の分離が徹底されるのは、議院内閣制よりもむしろ大統領制である。

2 妥当でない
 日本国憲法41条は、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」と規定している。
 しかし、議院内閣制を採っている国々では、日本国憲法と同様に、議会が最高機関であるとする明文の規定を置いているわけではなく、たとえば議院内閣制の母国とされるイギリスにおいては、議会が最高機関であるとする旨の明文の規定は存在しない。

3 妥当でない
 イギリスの議会は、上院にあたる貴族院と下院にあたる庶民院の二院制であり、上院は、国王が任命する貴族、僧侶等から構成され、下院は、小選挙区制により選出された議員で構成されている。 したがって、「イギリスでは、……比例代表制が採用されている」との記述は妥当でない。
なお、議院内閣制は、イギリスにおいて、名誉革命後に確立された議会優位の原則に基づく政治形態であると理解されているから、「議院内閣制の母国とされるイギリス」という記述は妥当である。

4 妥当である
 憲法93条2項は、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」と規定し、地方公共団体の行政府の長であるその長の選出を議会ではなく、住民に委ねている。このように、日本の地方自治制度は、大統領型の首長制度を採っている。
 ただし、議院内閣制の要素も加味されており、地方自治法178条1項は、「普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、直ちに議長からその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。この場合においては、普通地方公共団体の長は、その通知を受けた日から10日以内に議会を解散することができる。」と規定し、議会の長に対する不信任と長による議会の解散とを対抗させる仕組みをとっている。

5 妥当でない
 議院内閣制の下においては、内閣は、事実上議会における政権党を基盤として成立する。たとえば、イギリスにおいては、内閣の最高責任者である首相及び閣僚は、国王が任命するが、実際は、下院における多数党の党首が首相になり、首相に選任された上下両院の議員が閣僚に任命される。 したがって、「議院内閣制では、内閣の意思決定と政権党の意思決定が対立することが通例である」との記述は妥当でない。

【各国の政治制度】

イギリス
① 議院内閣制
② 議会
上院にあたる貴族院と下院にあたる庶民院の二院制であり、1911年に制定された議会法によって下院優位の原則が確立されている。
③ 内閣
議院内閣制の下では、議会 (下院) は内閣に対する不信任決議権を有しており、議会 (下院) で内閣の不信任決議がされた場合、内閣は議会 (下院) を解散しない限り総辞職しなければならない。
アメリカ
① 大統領制
行政府と議会とは、相互に独立し、大統領には、議会への法案提出権や議会を解散する権限が認められていない。
② 連邦議会
上院と下院の二院制である。上院と下院は、立法権については対等な権限を有しているが、大統領が指名する官吏の承認権、条約の批准・承認権等は上院のみが有し、他方、歳入予算の先議権等は下院のみが有している。また、徹底した三権分立の建前から、大統領には法案提出権がなく、すべて議員立法の形となる。なお、大統領に法案提出権はないが、随時、議会に対して立法を勧告する教書送付権と議会の可決した法律案に対する拒否権を有している。
③ 大統領の選出等
大統領は、有権者の投票で選ばれた大統領選挙人が、大統領候補に投票する間接選挙制が採用されている。大統領の任期は4年であり、憲法により3選は禁止されている。
④ 大統領の権限
 行政権
行政権は、大統領に帰属し、行政権の行使について責任を負うのは大統領だけであり、他の閣僚が責任を分担することはない。
 条約締結権
大統領は、上院の3分の2の承認を得て、条約を締結する権限を有する。
フランス
① 第5共和制
1958年の国民投票により新憲法 (第五共和国憲法) が制定され、第五共和制が始まった。第五共和制の下では、大統領が任命した首相が内閣を形成し、その内閣は議会に対して責任を負うという議院内閣制を採用している。このため、第五共和制の政治形態は、大統領制と議院内閣制の混合形態であるといわれている。
② 議会
上院にあたる元老院と下院にあたる国民議会の二院制である。第五共和制の下では、議会の権限は著しく弱体化され、その立法権は、憲法に定められた法律事項に限定された。
③ 大統領の選出等
大統領は、国民による直接選挙で選出される。任期は5年であり、再任に関する制限はない。
④ 大統領の権限
大統領は、首相任免権、国民議会の解散権、一定の法律案について議会を通さずに国民投票にかける権限等の広範な権限を有している。


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2009.10.29 Thu l 行政書士試験 平成17年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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