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平成17年度 行政書士試験 問題36は、「憲法」に関する記述式問題でした。

旧試験制度での問題であり、参考にするくらいでよいかと思います。

では、平成17年度 行政書士試験 問題36の解答解説を載せておきます。






問題36 次の文章は、最高裁判決の一節である。下線部ア、イの法理は、一般にどのように呼ばれるか、記入しなさい (アは5字以内、イは9字以内) 。

 集会の用に供される公共施設の管理者は、当該公共施設の種類に応じ、また、その規模、構造、設備等を勘案し、公共施設としての使命を十分達成せしめるよう適正にその管理権を行使すべきであって、これらの点からみて利用を不相当とする事由が認められないにもかかわらずその利用を拒否し得るのは、利用の希望が競合する場合のほかは、施設をその集会のために利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られるものというべきであり、このような場合には、その危険を回避し、防止するために、その施設における集会の開催が必要かつ合理的な範囲で制限を受けることがあるといわなければならない。そして、右の制限が必要かつ合理的なものとして肯認されるかどうかは、基本的には、基本的人権としての集会の自由の重要性と、当該集会が開かれることによって侵害されることのある他の基本的人権の内容や侵害の発生の危険性の程度等を較量して決せられるべきものである。本件条例7条による本件会館の使用の規制は、このような較量によって必要かつ合理的なものとして肯認される限りは、集会の自由を不当に侵害するものではなく、また、検閲に当たるものではなく、したがって、憲法21条に違反するものではない。
 以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決の趣旨に徴して明らかである。
そして、このような較量をするに当たっては、ア集会の自由の制約は、基本的人権のうち精神的自由を制約するものであるから、経済的自由の制約における以上に厳格な基準の下にされなければならない
本件条例7条1号は、「公の秩序をみだすおそれがある場合」を本件会館の使用を許可してはならない事由として規定しているが、同号は、広義の表現を採っているとはいえ、右のような趣旨からして、本件会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、本件会館で集会が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、前記各大法廷判決の趣旨によれば、イ単に危険な事態を生ずる蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であると解するのが相当である。
(最判平成7年3月7日民集49巻3号687頁以下)







問題36 正解 ア 二重の基準  イ 明白かつ現在の危険
ア 二重の基準
 二重の基準の法理は、基本的人権のうち、精神的自由権は、立憲民主政の政治過程にとって不可欠の権利であるから、経済的自由権に比べて優越的地位を占めるという考え方の下に、基本的人権を規制する法律・命令等の違憲審査にあたっては、経済的自由権を規制する法律・命令等に関して適用される合理性の基準 (=立法目的及びその達成手段の双方について、一般人を基準として、合理性が認められるか否かを審査するもの) は、精神的自由権のそれについては妥当せず、より厳格な基準によって審査されなければならないという法理である。具体的には、基本的人権の内容・形態、規制の目的・態様等により、その基準は一様でない。

イ 明白かつ現在の危険
 明白かつ現在の危険の法理とは、表現行為を規制する法律・命令等が合憲となるためには、①表現行為が近い将来、ある実質的害悪をひき起こす蓋然性が明白であること、②害悪が極めて重大であり、当該害悪の発生が時間的に切迫していること、③規制手段が害悪を避けるのに必要不可欠であること、の3つの要件を満たすことが必要であるという法理である。明白かつ現在の危険の法理は、厳格な審査基準の1つであり、主に表現内容を規制する法律・命令等に用いられる。

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2009.10.27 Tue l 行政書士試験 平成17年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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