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平成17年度 行政書士試験 問題33は、「株式会社の取締役」に関する正誤問題でした。

正解肢は、基本知識に属するものであり、得点すべきでした。

なお、この問題が出題された当時は、平成17年改正前商法により解答が求められましたが、現在では、平成17年に制定された会社法により解答解説を書かなければなりません。
会社法は、商法とは別に規定されていた有限会社法の規定を取り込み、株式会社の機関構成を自由に選択することができるようにしたため、問題を厳格に検討すれば、必ずしも当時と同じ結論にならない場合があります。
本解説は、なるべく、同じ結論にしようと思い、最大限の努力を図っています。
市販の過去問も同様にがんばっているようですが、条文操作に苦労しているものもあります(たとえば、肢3で会社法360条3項があげられていないもの、肢4で424条のみを挙げているもの。)

では、平成17年度 行政書士試験 問題33の解答解説を載せておきます。






問題33 株式会社の取締役に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 取締役会決議について特別の利害関係を有する取締役は、取締役会の決議に参加することはできない。

2 取締役が自己または第三者のために会社の営業の部類に属する取引を行う場合には、取締役会において当該取引に関する重要な事実を開示して、その承認を受けなければならない。

3 取締役が法令または定款に違反する行為をしようとしている場合であって、それが行われると会社に回復困難な損害が生ずるおそれがあるときには、6か月前から引き続き株式を有する株主は、会社のために取締役に対しその行為の差止めを請求することができる。

4 取締役が法令または定款に違反する行為により会社に損害を与えた場合には、会社に対して損害の賠償をしなければならないが、総株主の同意があれば、会社はこの責任を免除することができる。

5 株主総会の招集の決定など、法律により取締役会が決定すべきものとされている事項についても、定款の定めによって代表取締役に決定権限を委譲することができる。








問題33 正解 5
1 正しい
 会社法369条1項は、「取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数 (これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上) が出席し、その過半数 (これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上) をもって行う。」と規定し、同条2項は、「前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。」と規定している。
■ なお、会社法831条1項3号は、株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたときには、株主等 (当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役) は、株主総会等の決議の日から3箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができると規定している。このように、株主と取締役とで違いを生ずるのは、株主は、株式会社の実質的所有者であり、自己の利益のためにその議決権を行使することが許されるのに対して、取締役は、株式会社の受任者であり、会社のためにその議決権を行使する義務を負うからである。

2 正しい
 会社法356条1項1号は、取締役は、取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとする場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならないと規定し、同法365条1項は、「取締役会設置会社における第356条の規定の適用については、同条第1項中『株主総会』とあるのは、「取締役会」とする。」と規定している。

■ 平成17年改正前商法264条1項は、「取締役ガ自己又ハ第三者ノ為ニ会社ノ営業ノ部類ニ属スル取引ヲ為スニハ取締役会ニ於テ其ノ取引ニ付重要ナル事実ヲ開示シ其ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス」と規定していた。

3 正しい
 会社法360条1項は、「6箇月 (これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間) 前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。」と規定し、同条3項は、「監査役設置会社又は委員会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中『著しい損害』とあるのは、『回復することができない損害』とする。」と規定している。このように、監査役設置会社又は委員会設置会社においては、6箇月前から引き続き株式を有する株主は、取締役が法令又は定款に違反する行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

■ なお、会社法360条2項は、「公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中『6箇月 (これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間) 前から引き続き株式を有する株主』とあるのは、『株主』とする。」と規定している。

■ 平成17年改正前商法272条は、「取締役ガ会社ノ目的ノ範囲内ニ在ラザル行為其ノ他法令又ハ定款ニ違反スル行為ヲ為シ之ニ因リ会社ニ回復スベカラザル損害ヲ生ズル虞アル場合ニ於テハ六月前ヨリ引続キ株式ヲ有スル株主ハ会社ノ為取締役ニ対シ其ノ行為ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得」と規定していた。

4 正しい
 取締役が法令または定款に違反する行為により会社に損害を与えた場合には、会社に対して損害の賠償をしなければならない (会社法120条4項、423条1項、462条1項、464条1項、465条1項)。
この損害賠償責任は、総株主の同意があれば、原則として、免除することができる (同法120条5項、424条、462条3項ただし書、464条2項、465条2項)。

■ 平成17年改正前商法266条1項は、①第290条第1項ノ規定ニ違反スル利益ノ配当ニ関スル議案ヲ総会ニ提出シ又ハ第293条ノ5第3項ノ規定ニ違反スル金銭ノ分配ヲ為シタルトキ、②第295条第1項ノ規定ニ違反シテ財産上ノ利益ヲ供与シタルトキ、③他ノ取締役ニ対シ金銭ノ貸付ヲ為シタルトキ、④前条第1項ノ取引ヲ為シタルトキ、⑤法令又ハ定款ニ違反スル行為ヲ為シタルトキニ於テハ其ノ行為ヲ為シタル取締役ハ会社ニ対シ連帯シテ①ニ在リテハ違法ニ配当又ハ分配ノ為サレタル額、②ニ在リテハ供与シタル利益ノ価額、③ニ在リテハ未ダ弁済ナキ額、④及⑤ニ在リテハ会社ガ蒙リタル損害額ニ付弁済又ハ賠償ノ責ニ任ズと規定し、同条5項は、「第1項ノ取締役ノ責任ハ総株主ノ同意アルニ非ザレバ之ヲ免除スルコトヲ得ズ」と規定していた。

5 誤り
 会社法上、取締役会が決し、又は取締役会の決議によるものと定められている事項 (たとえば、株主総会の招集の決定 (会社法298条4項)) については、当然に取締役会が決定しなければならない。
 したがって、「株主総会の招集の決定など、法律により取締役会が決定すべきものとされている事項についても、定款の定めによって代表取締役に決定権限を委譲することができる。」との記述は、誤っている。

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2009.10.26 Mon l 行政書士試験 平成17年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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