fc2ブログ
平成18年度 行政書士試験 問題27は、「民法上の住所」に関する個数問題でした。

住所については、ほとんど学習しない部分ですし、また、個数問題であるため、難しい部類の問題であると考えます。

住所については、民法だけでなく、住民基本台帳法、戸籍法、地方自治法と関連しますし、実務上も住所、住民票、戸籍、本籍地等はきちんと理解しておくべき事柄ですので、これを問題とした試験委員はこれに配慮したのでしょうね。試験委員の労作と考えます。

なお、肢エ及び肢オは、条文そのままで答えがでないため、解説者の腕の見せ所です。いかんせん、司法試験でもほとんど学習しないためか、解説のレベルが低すぎます(なかには、肢エにおいて誤解された解説がされているようですね。)。
肢エについては、三つくらいの解説が書けますが、受験生がもっとも理解しやすいと思われる解説を載せておきます。

では、平成18年度 行政書士試験 問題27の解答解説を載せておきます。






問題28 民法上の住所に関する次のア~オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 住所が知れない場合において、居所を住所とみなすことはできない。

イ 日本に住所を有しない外国人は、日本における居所をその者の住所とみなすことはできない。

ウ ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所を住所とみなす。

エ 住所が複数ある場合には、本籍地を住所とみなす。

オ 住民票に記載されている住所と本籍地が異なる場合には、住民票に記載されている住所を民法上の住所とみなす。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ




問題28 正解 1
ア 誤り
 民法23条1項は、「住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。」と規定している。

イ 誤り
 民法23条2項本文は、「日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本における居所をその者の住所とみなす。」と規定している。

ウ 正しい
 民法24条は、「ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所を住所とみなす。」と規定している。

エ 誤り
 本籍とは、戸籍 (=自然人のうち日本国籍を有するもの (いわゆる日本国民) の身分関係を公示・公証する目的で作成される公簿) の所在場所をいい、民法上の住所とは無関係である。したがって、「住所が複数ある場合には、本籍地を住所とみなす。」との記述は誤っている。

■ 住所は、同時に二個以上あることができるのかについては、学説上、民法その他の法律全般を通じて一つに定められなければならないという考え方 (住所単一説) と住所が問題となる具体的な生活関係をめぐる法律関係ごとに相対的に定めるべきであるという考え方 (住所複数説) との争いがある。学説上は、住所複数説が多数説のようである。なお、この点についての判例の立場は、明瞭でない。

■ 民法23条1項は、「住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。」と規定しているが、ここに「住所が知れない場合」とは、住所は存在するがそれがどこであるか判明しない場合と生活の本拠がないため住所自体が存在しない場合をいう。このため、「住所が複数ある場合」はこれに当たらない。

オ 誤り
 民法22条は、「各人の生活の本拠をその者の住所とする。」と規定している。このように、民法上の住所は、各人の生活の本拠によって定められる。したがって、「住民票に記載されている住所と本籍地が異なる場合には、住民票に記載されている住所を民法上の住所とみなす」との記述は妥当でない。

■ 民法上の住所を定めるにあたっては、現実の生活事実の有無とは無関係に本籍地、住民票に記載されている住所等の形式的基準によってこれを定める考え方 (形式主義) と現実の生活関係の有無を基準にこれを定める考え方 (実質主義) とがある。民法22条は、「各人の生活の本拠をその者の住所とする。」と規定し、実質主義を採用した。

以上により、正しいものは、ウの一つであり、正解は1になる。

ブログランキングに参加しています。よろしければ、ポチっとお願いします。
人気ブログランキングへ

 

 

スポンサーサイト



2009.07.30 Thu l 行政書士試験 平成18年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

コメント

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://hiroohirooyagi.blog54.fc2.com/tb.php/382-bd3101c9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)