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平成19年度 行政書士試験 問題27は、他人物売買及び無権代理行為に関する正誤問題でした。

問題は、条文や判例に関する基本知識を問うものであり、得点すべき問題でした。

では、平成19年度 行政書士試験 問題27の解答解説を載せておきます。




問題27 AがB所有の土地をCに売却した場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 AがBから土地の所有権を取得してCに移転できない場合、Cは、契約時にAに土地の所有権がないことを知っていたとしても、契約の解除ができる。

2 Cは、悪意または有過失であっても、20年間、所有の意思をもって平穏かつ公然とBの土地を占有継続すれば、Cは土地の所有権を時効取得する。

3 AがBの代理人と称して売却した場合、代理権のないことを知らなかったCがこの売買契約を取り消せば、BはもはやAの代理行為を追認することはできない。

4 AがBの代理人と称して売却した場合、Cは、Aに代理権のないことを過失によって知らなかったとしても、無権代理を行ったAに対して責任を追及できる。

5 所有権者Bが自らA名義で登記をして虚偽の外形を積極的に作出し、そのまま放置していた場合には、Bは、Aを所有者だと信頼して買ったCに対抗できない。






問題27 正解 4
1 正しい
 民法561条は、「前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。」と規定している。このように、買主が、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときでも、 契約の解除をすることができる。
 したがって、買主Cが、契約時に売主Aに土地の所有権がないことを知っていたとしても、契約の解除をすることができる。

2 正しい
 民法162条は、所有権の取得時効について、①所有の意思をもってする占有 (自主占有)であること、②占有の取得及び保持が平穏かつ公然であること、③他人の物を占有すること、④占有の開示の時に善意かつ無過失であれば10年間、悪意又は有過失であれば20年間その占有を継続することを要件として規定している。
 したがって、Cは、悪意または有過失であっても、20年間、所有の意思をもって平穏かつ公然とBの土地を占有継続すれば、Cは土地の所有権を時効取得する。

3 正しい
 無権代理行為が取り消されれば、当該行為はその初めにさかのぼって無効となる (民法121条本 文) から、もはや当該行為を追認することはできない。
 したがって、Cが売買契約を取り消せば、Bは、もはやAの代理行為を追認することはできない。

4 誤り
 民法117条1項は、「他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。」と規定し、同条2項は、「前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。」と規定している。このように、取引の相手方が他人の代理人として契約をした者に代理権がないことを過失によって知らなかったときは、無権代理人の責任を追及することはできない。
 したがって、買主Cが、Aに代理権のないことを過失によって知らなかったときは、無権代理を行ったAに対して責任を追及することはできない。

5 正しい
 不動産の公示手段である登記 (民法177条参照) には公信力がないため、これを信頼して取引を行った者であっても、保護されないのが原則である。しかし、取引の安全を図るため、虚偽の外形が作出されたことについて本人に何らかの帰責性がある場合には、本人の犠牲において、その外形を信頼して取引をした善意の第三者を保護する判例法理が確立している。たとえば、ある判例 (最判昭和44年5月27日) は、自ら仮装行為をした者が、このような外形を除去しない間に、善意の第三者がその外形を信頼して取引関係に入った場合には、その取引から生ずる物権変動について、登記が第三者に対する対抗要件とされているときでも、仮装行為者としては、第三者の登記の欠缺を主張して、物権変動の効果を否定することはできないとしている。
 したがって、所有権者Bが自らA名義で登記をして虚偽の外形を積極的に作出し、そのまま放置していた場合には、Bは、Aを所有者だと信頼して買ったCに対抗できない。

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2009.04.28 Tue l 行政書士試験 平成19年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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