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平成19年度 行政書士試験 問題25は、「地方自治法の定める住民監査請求、住民訴訟」に関する個数問題でした。

個数問題は、その設問一つ一つで正誤を決定しなければならないので、問題自体の正確性が厳しく問われますが、本問は、その点で問題があると感じました。
たとえば、設問イですが、「原則として」といっていますが、例外があるのでしょうか?
また、設問オですが、期間制限があっても、正当理由がある場合は、例外が認められており、「これを徒過すると提起することはできなくなる」とは、いえないので、設問では、「原則として」とすべきではないのでしょうか。
財団法人行政書士試験研究センターの発表に係る解答では、正解が2となっているので、この解答に合わせましたが、今でも疑問です

では、平成19年度 行政書士試験 問題25の解答解説を載せておきます。



問題25 地方自治法の定める住民監査請求、住民訴訟に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア 住民監査請求は事務監査請求とは異なり、当該地方公共団体の住民に限らず、何人であっても一人で提起することができる。

イ 住民訴訟を提起するには、原則として住民監査請求を経ている必要があり、これを住民監査請求前置 (主義) という。

ウ 住民訴訟においては、当該地方公共団体の執行機関または職員に対して行為の全部または一部の差止めの請求をすることは認められていない。

エ 住民訴訟の対象は、当該地方公共団体の長等の違法な財務会計上の行為または怠る事実であるが、不当な行為または怠る事実は対象とできない。

オ 住民監査請求にも住民訴訟にも期間の制限があり、これを徒過すると提起することはできなくなる。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ




問題25 正解 2
ア 誤り
 地方自治法242条1項は、「普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある (当該行為がなされることが相当の確実さをもつて予測される場合を含む。) と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実 (以下「怠る事実」という。) があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によつて当該普通地方公共団体のこうむつた損害を補塡〔●ほてん〕するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。」と規定しており、住民監査請求は、当該地方公共団体の住民に限って提起することができる。
 また、同法75条1項は、「選挙権を有する者 (道の方面公安委員会については、当該方面公安委員会の管理する方面本部の管轄区域内において選挙権を有する者) は、政令の定めるところにより、その総数の50分の1以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の監査委員に対し、当該普通地方公共団体の事務の執行に関し、監査の請求をすることができる。」と規定しており、「選挙権を有する者」とは、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者をいう (同法74条1項) から、事務監査請求についても、当該地方公共団体の住民に限って提起することができる。
 なお、住民監査請求は1人で提起することができるが、事務監査請求については、1人で提起することはできない。

イ 正しい
 地方自治法242条の2第1項柱書は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第4項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第4項の規定による監査若しくは勧告を同条第5項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。」と規定している。このように、住民訴訟を提起するには、住民監査請求を経ている必要があり、これを住民監査請求前置 (主義) という。

ウ 誤り
 地方自治法242条の2第1項1号は、「当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求」と規定している。このように、住民訴訟においては、当該地方公共団体の執行機関又は職員に対して行為の全部または一部の差止めの請求をすることは認められている。

エ 正しい
 地方自治法242条の2第1項柱書は、「普通地方公共団体の住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第4項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第9項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第4項の規定による監査若しくは勧告を同条第5項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第9項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。」と規定している。このように、住民訴訟の対象となるのは、当該地方公共団体の長等の「違法」な財務会計上の行為又は怠る事実であり、「不当」な行為又は怠る事実は対象とできない。

オ 正しい
 住民監査請求について、地方自治法242条2項は、「前項の規定による請求は、当該行為のあつた日又は終わつた日から1年を経過したときは、これをすることができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。」と規定しており、また、住民訴訟について、同法242条の2第2項は、一定の期間内に訴訟を提起しなければならない旨を定めている。
■ なお、住民訴訟について、同法242条の2第3項は、その出訴期間を定める同条2項をうけて「前項の期間は、不変期間とする。」と規定している。ここに「不変期間」とは、裁判所が法定の期間又はその定めた期間を伸長し、又は短縮することができないものをいう (民事訴訟法96条1項参照)。ただし、不変期間であっても、裁判所は、遠隔の地に住所又は居所を有する者のために付加期間を定めることができるものとされている (同条2項)。

以上により、誤っているものは、ア・ウであり、正解は2になる。

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2009.04.25 Sat l 行政書士試験 平成19年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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