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平成19年度 行政書士試験 問題20は、「国家賠償法2条の定める営造物管理責任」に関する正誤問題でした。

正解肢は、有名判例の事案ですので、得点すべき問題でした。
なお、本問題は、選択肢1、4及び5が基礎知識を問う問題(そのうち選択肢4及び5は、受験生の常識として知っておくべき知識を問う問題)、選択肢2及び3が基本書にも載っていないような事柄を問う問題であり、試験問題を作るうえで理想とされている問題形式でした。ただ、復習される方は、選択肢2、3については、二度と見てはなりません(時間の無駄ですし、無駄な知識をインプットすることになるからです)。
■ 選択肢2については、「正規に管理されている」という意味が判然としないため、資格学校及び出版社の解説がまちまちになっています。

平成19年度 行政書士試験 問題20の解答解説を載せておきます。




問題20 国家賠償法2条の定める営造物管理責任に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 国家賠償法2条に定める営造物は、道路・河川などの不動産を指し、公共団体が管理する動産の瑕疵については、それを管理する公務員の同法1条に基づく責任が問題となるほかは、同法2条の適用を受けることはない。

2 営造物の管理責任は、公物として正規に管理されている行政財産についてのみ及び、事実上私人によって道路として利用されているに過ぎない公有地の管理責任については、国家賠償法2条の適用を受けることはない。

3 営造物の管理責任は、営造物の物理的瑕疵を問うものであり、営造物を管理する公務員の管理義務違反は国家賠償法1条の責任であって、同法2条の責任が問われることはない。

4 営造物の瑕疵は、営造物そのものに物理的瑕疵がある場合を元来指すが、第三者の行為により営造物が瑕疵ある状態になった場合にも、その状態を速やかに改善して瑕疵のない状態に回復させる責任が営造物管理者にはある。

5 営造物の管理責任は、その営造物を設置し、管理する責任を有する公共団体が負い、営造物の設置、管理の費用を負担するに過ぎない公共団体が負うことはない。




問題20 正解 4
1 妥当でない
 判例 (大阪高判昭和62年11月27日) は、けん銃保管のための保管箱は、国家賠償法2条1項の「営造物」に当たるのみならず、けん銃は、それ自体動産であるが、本来的に人身等を殺傷する用に供されるために作製されたいわゆる性質上の凶器であり、しかもその威力は強大で、一旦使用されると相手に容易に致命傷を与える高度の危険性を持つ武器であるから、これもまた「営造物」に当たるとしている。
 したがって、公共団体が管理する動産の瑕疵についても、同条の適用を受ける。
■ 別の判例 (東京高判昭和29年9月15日) は、国家賠償法2条の規定する「営造物」とは、広く公の目的に供せられる物的施設を指称し、必ずしも建物ないし土地の定着物に限らない解すべきであるとした上で、臨海学校において使用された飛込台について営造物であると解している (ただし、古崎博士『判例営造物管理責任法』においては、飛込台は屋外の営造物の例とされており、動産の例には入れられていない)。

2 妥当でない
 国家賠償法2条1項の規定する「公の」営造物とは、国又は公共団体が直接に公の目的をもって管理し、公の用に供されていることを意味するが、完成されて完全な形で公用に供されていることは必要でなく、たとえば、道路予定地、崩落による道路の欠損部分等の公共用財産でありながら、公共の用に供されていない時期に起きた事故についても、国又は公共団体は、同条項の責任を負うと解されている (仮排水用の用水路に幼児が転落死亡した事案につき千葉地判昭和53年12月4日同旨)。
 したがって、事実上私人によって道路として利用されているに過ぎない公有地の管理責任についても、同条の適用を受ける場合がある。

3 妥当でない
 判例 (名古屋高判昭和49年11月20日―飛騨川バス転落事件) は、所論は、本件事故当夜通行規制を行わなかったことをもって、道路管理の瑕疵とすることは誤りであると主張するものであるが、防護施設のみによって災害を完全に防止することが至難であって、本件事故の後に実施されている通行規制そのものは合理的な避難対策の一つであるということができるのであるから、所論は採用し難いものであるとし、営造物自体に何らかの物理的瑕疵がある場合だけでなく、公務員が営造物の管理を誤る場合であっても、営造物の設置又は管理の瑕疵があることを認めたものである。

4 妥当である
 判例 (最判昭和50年6月26日―奈良赤色灯事件) は、本選択肢の考え方を前提として、本件事故発生当時、道路管理者 (Y) において設置した工事標識板、バリケード及び赤色灯標柱が道路上に倒れたまま放置されていたから、道路の安全性に欠如があったといわざるを得ないが、それは夜間、しかも事故発生の直前に先行した他車によって惹起されたものであり、時間的にYにおいて遅滞なくこれを原状に復し道路を安全良好な状態に保つことは不可能であったのであるから、Yの道路管理に瑕疵がなかったと認めるのが相当であると判示した。

5 妥当でない
国家賠償法3条1項は、「前2条の規定によつて国又は公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合において、公務員の選任若しくは監督又は公の営造物の設置若しくは管理に当る者と公務員の俸給、給与その他の費用又は公の営造物の設置若しくは管理の費用を負担する者とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる。」と規定している。

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2009.04.20 Mon l 行政書士試験 平成19年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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