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福岡地方は、晴れ。
近くにある大濠高校が甲子園で熱戦を繰り広げていますね。
昨年から今年にかけて、大濠高校出身・在籍・新入の3人ができました。
だんだん、ご縁が深くなりますね。

さて、講義を続けましょう。
P45の「民事裁判」からです。
民事裁判は、私法上の権利義務の存否ないし法律関係の存否をめぐる裁判になります。
民事裁判の流れは、大まかでよいのですが、押さえておきましょう。

P47の判決・決定・命令ですが、判決は、「裁判所」による「訴訟事件の終局的判断」であり、「公開法廷」によって行われる点は覚えておきましょう。
なお、「裁判所」には、「官署としての裁判所」と「裁判機関としての裁判所」を区別してください。
たとえば、前者は、福岡市中央区城内にある裁判所であり、皆さんが一般に裁判所としてイメージされるのは、この意味の裁判所です。
これに対して、後者は、裁判官、原告・被告の当事者、書記官等が集まって裁判を行う法廷をイメージしてください。たとえば、福岡地方裁判所民事第1部、民事第2部等がこれに当たります。

「決定」と「命令」は、「訴訟事件の終局的判断」をするものでなく、それに至る訴訟指揮等の付随的事項に関する判断であり、「決定」は裁判所が行い、「命令」は裁判官が行います。

P47「適格消費者団体」です。
適格消費者団体としては、NPO法人「ひょうご消費者ネット」等がこれに認定されています。たとえば、同団体は、あるジムの「30日間全額返金保証」等の使用 (不当な勧誘行為の事案)、資格学校の講座の解約に伴う返金拒否 (不当な契約条項の使用の事案) 等について、差止請求を行いました。

P47「消費者裁判手続特例法」です。
これは、アメリカで行われているクラスアクションを模した制度であると言われています。
ここにクラスアクションとは、集団訴訟 (=同一の事件について、利害関係を共通にする複数の人間が、同時に原告となって起こした民事訴訟) のうち、ある商品の被害者など共通の法的利害関係を有する地位 (クラス) に属する者の一部が、クラスの他の構成員の事前の同意を得ることなく、そのクラス全体を代表して訴えを起こすことを許す訴訟形態をいいます。
原告は、自分以外のクラス全員の請求権の合計額を訴求することができます。
既判力等の判決の効力は、訴訟行為をしなかった者も含めて同じクラスに属する者全体に当然に及びます。そのため、クラスに属する者が裁判の結果に拘束されないためには、訴え提起の通知を受けたときに自ら除外を申し出ておく必要があります。




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2017.03.28 Tue l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
福岡地方は、曇り時々晴れ。
少々寒いですね。

さて、講義をつづけましょう。
P44「民事裁判と刑事裁判」ですね。
裁判は、大きく、民事裁判と刑事裁判に分けることができます。
そして、これに対応して、民事訴訟と刑事訴訟の区別がなされます。
(「訴訟」とは、紛争を解決するにあたって、当事者以外の第三者を関与させ、その判断を仰ぐこと、または、その手続をいいます。対義語は「自力救済」です。)
なお、行政事件訴訟は、民事訴訟の例によることとされています(行政事件訴訟法7条)。

民事裁判と刑事裁判の違いは、P45のとおりです。
試験との関係においては、立証責任が重要です。
民事訴訟の場合、ある事実の存在が認められると自己に有利な法律効果の発生が認められる当事者が立証責任を負います。、
おおざっぱですが、不法行為の場合は「原告」が、契約の場合は「被告」がその証明責任を負います。
(契約でも、その成立を主張するときは「原告」がその責任を負いますが、試験で問われるのは、契約の成立を前提に、それにより発生した債務が消滅したことを主張する場面ですので、弁済の証明責任は、「被告」が負います。)


2017.03.22 Wed l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
福岡地方は、晴れで、まぁまぁの天気でしたね。

では、講義を続けましょう。
P38「裁判制度」です。
「裁判」とは、裁判所又は裁判官が、司法権を行使してする、「判決」「決定」又は「命令」をいいます。
「判決」は、請求内容に対する終局的判断をいい、「決定」又は「命令」は、訴訟の進め方や判決をする前提となる争点などについての判断をいいます (「決定」と「命令」の違いは、前者は裁判所という合議体がするものであるのに対して、後者は裁判官という独任制の機関が行います。)。P47を参照のこと。

裁判制度に関する歴史・沿革は、流し読みして、裁判所の組織は、覚えることがたくさんあるので、過去問などで確認しておいてください。
最高裁判所と下級裁判所の比較、最高裁判所長官とその他の裁判官の違いなどに注意されるとよいでしょう。

付け加えるとすれば、上訴(=控訴+上告)制度ですね。
まず、民事訴訟。
1 控訴
 第一審裁判所の判決に不服のある当事者は,上級裁判所に対して控訴をすることができます。たとえば、第一審の地方裁判所の判決に対しては,管轄を有する高等裁判所に対して控訴することができ (裁判所法16条1号)、第一審の簡易裁判所の判決に対しては,地方裁判所に対して控訴することができます (同法24条3号。なお、
この場合は、高等裁判所が上告裁判所となる (同法16条3号))。もっとも、第三審の高等裁判所の判決に対しては,例外的に,憲法問題がある場合には,最高裁判所に上訴することができます。この上訴は,「特別上告」と呼ばれています)。
※ 控訴審は、第一審裁判所の判決に対する当事者の不服の限度において、事実問題 (たとえば、事実の確定) 及び法律問題(たとえば、法律の適用) を併せて審理する続審 (=下級審の審理を基礎としながら、上級審においても新たな訴訟資料の提出を認めて事件の審理を続行する審理方法) です。
  なお、続審のほかに覆審があります。ここに覆審とは、上級審において、下級審とは無関係に訴訟資料を集め、これに基づいて事件の審理をやり直す審理方法をいう。
2 上告
 控訴 (第二審) 裁判所の判決に不服のある当事者は,上告をすることができます。
※ 上告審は、事後審 (=下級審の判断の当否を上級審として審査する審理方法) です。そして、上告裁判所は,原判決におい て適法に確定した事実に拘束される (民事訴訟法321条1項) ため、上告審は、法律問題を審査する法律審です。

次に、刑事訴訟です。
1 控訴
 第一審裁判所の判決に不服のある当事者は,上級裁判所に対して控訴をすることができます。たとえば、第一審の地方裁判所の判決に対しては,管轄を有する高等裁判所に対して控訴することができ (裁判所法16条1号)、
第一審の簡易裁判所の判決に対しては,高等裁判所に対して控訴することができます (同法16条1号)。もっとも、
高等裁判所が第一審である内乱罪等に係る訴訟の場合は,最高裁判所への上告だけが可能です。
※ 控訴審は、基本的には事後審です (審理の対象となるのは、第一審の法令違反の有無である。したがって、法律審となります)。 もっとも、控訴審は、一定の場合において事実の取調べをすることができ (刑事訴訟法393条1項)、この場合には、新たな証拠を取り調べることも可能ですし、破棄自判(=審理を原審である地方裁判所などに差し戻すのではなく、自ら判断をすること)のときは、控訴審において取り調べた証拠に基づいて判決することができる (同法400条ただし書) ことから、続審となることもあります (この審理の対象には、事実認定が問題となるから、事実審となります。)。
  なお、刑事訴訟の控訴審が事後審であることにつき、最高裁判所の判決 (最大判昭和46年3月24日) は、「刑訴法はさらに控訴審の性格を原則として事後審たるべきものとしている。すなわち、控訴審は、第一審と同じ立場で事件そのものを審理するのではなく、前記のような当事者の訴訟活動を基礎として形成された第一審判決を対象とし、これに事後的な審査を加えるべきものなのである」と判示しました。
2 上告
 控訴 (第二審) 裁判所の判決に不服のある当事者は,上告をすることができます。
※ 上告審は、事後審 (=下級審の判断の当否を上級審として審査する審理方法) です。そして、上告審は、原則として、憲法違反又は判例違反の有無を審理する法律審ですが、判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認がある場合等であって、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるとき、上告裁判所は、事実の取調べをすることができ、判決で原判決を破棄することができます。


2017.03.17 Fri l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
福岡地方は、ザ~と一雨ありました。

さぁ、講義を続けましょう。
P33「法令用語」ですね。
追加事項を書いておきますね。

❷ 「適用する」「準用する」・「例による」
(1) 「適用する」
 適用するとは、法令の規定にある事項 (事実) を当てはめることをいいます。
(2) 「準用する」
 準用するとは、ある事項に適用することが予定されている法令の規定を、他の事項について、そのまま、あるいは必要な変更を加えた上で当てはめることをいいます。
 この法令用語は、他の事項について、当該ある事項に関する法令の規定と同一ないし類似する規定を設けるとすると、かえって法令の規定が複雑になるなどの不都合があることから、立法技術として用いられます。
 たとえば、民法19条1項は、「後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。」と規定し、同条2項は「前項の規定は、保佐開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被補助人であるとき、又は補助開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被保佐人であるときについて準用する。」と規定しています。
※ ある事項に適用することが予定されている法令の規定を、他の事項について、そのまま、あるいは必要な変更を加えた上で当 てはめることは、「例による」場合と同じであるが、「準用する」は、法令の個々の規定を他の事項に当てはめる場合に用いられま す。
(3) 「例による」
 例によるとは、ある事項に適用することが予定されている法令上の制度 (法律の規定のみならず、その法律に基づいて制定された命令等の規定を含む) を他の事項に、そのまま、あるいは必要な変更を加えた上で当てはめることをいいます。
 たとえば、行政事件訴訟法7条は、「行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。」と規定しています。

❸ 「及び」・「並びに」
 併合 (並列) 的接続が2段階にわたる場合は、次のようになります。
 {(A1及びA2) 並びにB}

❹ 「又は」・「若しくは」
 選択的接続が2段階にわたる場合は、次のようになる。
 {(A1若しくはA2) 又はB}

その他の法令用語について、追加しておきますね。
1 「取消し」・「撤回」
 講学上 (=「法令上」と区別して、「講学上」と呼ばれることがあります。意味は、学問上という意味です。P313参照)、「取消し」と「撤回」とは、区別されます。
 すなわち、いずれも法律行為の効果を消滅させる意思表示ですが、「取消し」は、法律行為そのものの瑕疵を理由として、既に生じている法律行為の効果を消滅させるものであるのに対し、「撤回」は、法律行為そのものに瑕疵は存しませんが、その後の事情により、その法律行為の効果を存続させることが妥当でないということが生じたときに、将来に向かって法律行為の効果を消滅させるものです (たとえば、民法521条1項、530条、540条2項、550条等)。
 しかし、法令上、「取消し」の用語が、講学上の「撤回」の意味に用いられることがあることは注意が必要です。たとえば、建設業法29条1項3号は、国土交通大臣または都道府県知事は、建設業の許可を受けた建設業者が許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、当該建設業者の許可を取り消さなければならないと規定していますが、この規定の場合、建設業の許可を与えたことに瑕疵はなく、後発的事情、すなわち、当該許可を受けた建設業者が許可を受けてから1年以内に営業を開始しないこと等を理由に、国土交通大臣又は都道府県知事は、当該建設業者の許可を取り消すものとしています。したがって、当該取消しは、講学上の「(行政行為の) 撤回」に当たります。

2 「権限」・「権原」
(1) 「権限」
 権限とは、ある行為をすることのできる範囲又は限界を画する概念です。
 たとえば、民法99条1項は、「代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。」と規定しています。
(2) 「権原」
 権原とは、ある行為をすることを正当とする法律上の原因をいいます。
 たとえば、民法242条は、「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。」と規定しています。
※ 両者を区別するため、「権原」を「けんばら」と読むことがあります。

3 「科する」・「課する」
 「科する」は、刑罰、行政罰としての過料等の罰を課す場合に用います。これに対して、「課する」は、義務を課す場合に用います。

2017.03.15 Wed l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
福岡地方は、晴れでした。
昨日は、頭痛で一日寝ておりました。
皆さんは、健康に気を付けられてください。

さて、講義をつづけましょう。
P32 法の解釈の続きです。
文理解釈・縮小解釈・拡張解釈と狭義・最狭義・広義の関係です。

分類

意味

犯罪例

解釈方法

最広義

有形力が不法に行使される場合のすべてを含み、その対象は、人でも物でもよい。

騒乱罪

拡張解釈

広義

人に対する不法な有形力の行使を意味するが、その有形力は、必ずしも直接に人の身体に対して加えられることは必要でなく、物に対して加えられた有形力でも、それが人の身体に物理的に強い影響を与えうるものであれば足りる。

・公務執行妨害罪

・強要罪

狭義

不法な有形力の行使が人の身体に対して加えられること

暴行罪

文理解釈

最狭義

人に対し、かつ、その反抗を抑圧するに足りる程度に強度の不法な有形力の行使を意味する

強盗罪

縮小解釈



ここで重要なのは、「暴行」の意味ではなく、解釈方法と、「狭義」、「広義」、「最狭義」等との関係です。
ここでは、「文理解釈」が「狭義の~」となる点は、必ず覚えておいてください。
ここでの知識が、国家賠償法1条の「公権力の行使」の意味(P554)を理解するうえで、役に立ちます。

2017.03.14 Tue l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
福岡地方は、よく晴れていますね。
明日の講義に向けて、予習をしています。

講義を続けましょう。
P32の「法の解釈」ですね。

法の解釈では、文理解釈を基本に、縮小解釈、拡張解釈があり、
法の欠缺(=法が存在しない)に備えて、勿論解釈、類推(解釈)、反対解釈がなされます。
(恩師渥美東洋先生からは、「安易な反対解釈をしてはないらない!」と口を酸っぱくして言われたことが今でもよく思い出されます。)

その六つの解釈を覚えておけば十分です。

追加情報は、次のとおりです。

縮小解釈

民法第754条は,「夫婦間でした契約は,婚姻中,いつでも,夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし,第三者の権利を害することはできない。 」と規定しているが,ここにいう「婚姻中」とは,単に形式的に婚姻が継続しているということだけでなく,実質的にもそれが継続していることをいうとする解釈。「婚姻中」の通常の意味は,形式的に婚姻が継続していることであり,これにつき,実質的にもそれが継続していることをいうと解釈することは,「婚姻中」の通常の意味より限定しているから,この解釈は,縮小解釈である。

拡張解釈

刑法第38条第3項は,「法律を知らなかったとしても,そのことによって,罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし,情状により,その刑を減軽することができる。」と規定しているが,ここにいう「法律」には,政令等が含まれるという解釈。「法律」の通常の意味は,国会が制定した法律であるが,これに政令等が含まれると解釈することは,「法律」について通常の意味より広げているから,この解釈は,拡張解釈である。

勿論解釈

皇室典範21条本文は,「摂政は,その在任中,訴追されない。」と規定しているが,天皇については,当然に,その在任中,訴追されないとする解釈。天皇の訴追に関する規定はないが、摂政でさえ,その在任中,訴追されないから,天皇であれば,なおさら当然に,その在任中,訴追されないとして,天皇についても当然に摂政と同様の法的効果が生じることを認めるものであるから、この解釈は、勿論解釈である。

類推 (解釈)

債務不履行に基づく損害賠償の範囲を「通常生ずべき損害」に限定する民法第416条の規定は,不法行為に基づく損害賠償の場合にも適用することができるとすること。不法行為に基づく損害賠償の範囲に関する規定がないことから,それと類似の事実に適用できる法規 (ここでは,債務不履行に基づく損害賠償の範囲を「通常生ずべき損害」に限定する民法416条の規定) を間接的に適用するものであり,このような解釈は,類推 (解釈) である。

なお、類推 (解釈) を行う場合は、①事実の類似性、②趣旨の共通性が必要である。

※ 「下馬」とは、社寺の境内等で馬から下りることをいうが、この趣旨について、馬は場所をわきまえず糞尿をする恐れがあるからであると解すると、牛についても、当該趣旨は当てはまるから、社寺の境内等では牛からも下りなければならないとする解釈は、類推 (解釈) である。

反対解釈

民法第737条第1項は,「未成年の子が婚姻をするには,父母の同意を得なければならない。」と規定しているが,成人の子であれば,婚姻をするについて,父母の同意を得ることを要しないとする解釈は。成人の子の婚姻に対する父母の同意の規定がないことから、成人の子であれば,婚姻をするについて,父母の同意を得ることを要しないとして,成人した子について,未成年の子とは反対の法的効果が生じることを認めているから,この解釈は,反対解釈である。

※ 「下馬」とは、上記のとおり、社寺の境内等で馬から下りることをいうが、この趣旨について、馬は社寺において忌まわしい生き物とされているからであると解すると、牛については、そのような事情がないから、社寺の境内等では牛から下りる必要はないとする解釈は、反対解釈である。



2017.03.10 Fri l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
福岡地方は、どんよりと曇り空です。
山沿いでは、かなり雪が降ったようで、三瀬峠は、チェーン規制がかかっています。

さて、講義をつづけましょう。
P32「法の解釈」ですね。

なぜ、法の解釈をしなければならないかというと、法的三段論法と関係しています。

三段論法とは、大前提と小前提から結論を導き出す演繹的な推論の方法をいいますが。この論理学の推論の方法を法律学に応用したのが、法的三段論法です。ここに法的三段論法とは、法規 (=法令の条文ないし条文解釈をとおして得られた規範) を大前提とし、事実を小前提として、結論を導き出す方法をいいます。
たとえば、「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」(刑法199条) との法規を大前提とし、AはBを殺したという事実を小前提として、Aには死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処せられるという結論を導くことになります。

裁判所の裁判で行われているのは、もっぱら、これです。
(老婆心ながら、法令用語で「もっぱら」と使われるときは、100%の意味であると理解しておきましょう)
つまり、裁判官、検察官および弁護士は、主に、この点について検討しているわけです。

例えば、上記で「人」と出てきましたが、これについても争いがあるわけです。
たとえば、胎児は「人」でしょうか?脳死の人は「人」でしょうか?
これは、「人」の解釈によって定まります。
これが「法の解釈」という問題です。





2017.03.09 Thu l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
福岡地方は、雪が舞う寒い一日でした。

講義を続けましょう。
P28「3 日本の法制度」ですね。
我が国の法制度は、戦前は大陸法の影響を強く受け、戦後は英米法の影響の下に発展しました。
また、戦前の大日本帝国憲法は、天皇主権であり、天皇が統治権を総攬していましたが、戦後の日本国憲法は、国民主権であり、基本的人権の保障とそれを確実なものにするための権力分立といった自由主義的、民主主義的要素が盛り込まれました。

そのような日本国憲法の制定によって、国家賠償法、地方自治法が新設されたことは覚えておきましょう。

また、行政書士試験の試験科目である行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、情報公開法、個人情報保護法等は、基本的事項ですので、これも覚えておきましょう。

なお、次の流れは、頭の片隅に残しておいてください。
1890年行政裁判法→1948年行政事件訴訟特例法→1962年行政事件訴訟法
1890年訴願法→1962年行政不服審査法

2017.03.08 Wed l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
福岡地方は、雷雨が降る不安定な天気で、一時雹も落ちてきました。

では、合格ナビゲーション講義を続けましょう。

P26の時間的適用の範囲ですね。

1 時間的範囲とは
 時間的範囲とは、法令の始期 (=法令が効力を生ずる時期) 及び終期 (=法令が効力を失う時期) の問題です。
2 始期に関する問題
(1) 法律の始期
 法律は、公布され、かつ、施行される日から効力を生じます。

(2) 法律の遡及効
 法律の遡及効とは、法律が過去に遡って効力をもつことをいいます。
 法律の遡及効を認めると、法的安定性を害することから、原則として、これを認めることはできません。特に、わが国では、犯罪と刑罰に関して罪刑法定主義を採っていると解されおり、この罪刑法定主義からは、刑法不遡及の原則 (=刑法は、時間的にさかのぼって適用することは許されないという原則) が導かれることから、刑法について遡及効を認めることは許されません。
 なお、国民の利益になる法律は、さかのぼって適用されることがあります。たとえば、近時では、次年度から福祉的給付を増額する予定の法案が、別の法案での与野党対決のため、4月1日までに成立せず、結局5月1日施行になりましたが、4月1日にさかのぼって効力を生じさせることとされました。

3 終期に関する問題
(1) 法律の終期
 法律は、その廃止 (=ある法令を新たな立法措置により消滅させてしまうことをいい、「▼▼法は、これを廃止する。」というような形で立法措置がなされる。) 又は期限の到来 (たとえば、「本法は、施行後5年を限り其の効力を有す。」と規定されている場合) により、その効力を失ないます。
 なお、期限の到来による場合、法律は、新たな立法措置によることなく、当然に効力を失います。

(2) 限時法の追及効
ア 限時法の追及効とは
 限時法とは、一定の有効期間を定めて制定された法令であり、その有効期間の到来とともに当然に廃止され (たとえば、特別な立法措置 (たとえば、刑の廃止等) を必要としない)、その効力が失われるものをいいます。
 このように、限時法は、有効期間が定まっていることから、限時法に罰則があれば、その罰則も限時法の失効とともに効力を失います (刑事訴訟法337条2号は、「犯罪後の法令により刑が廃止されたとき」を免訴事由としています。)。そうすると、限時法が失効する間際になると、その法律に違反する行為を行っても有効期間中に処罰することができないため、その法律を守る者がいなくなる (すなわち、限時法が事実上失効する。) ということになります。 そこで、その法律の有効期間内の違反行為に対して、その法律の失効後においても処罰を行うことができるとされることがあります (いわゆる限時法の追及効)。

イ 解釈による限時法の追及効の肯否
 限時法の追及効については、明文の規定がある場合は格別、そうでない場合は解釈によることとなりますが、これについては肯定説 (動機説=限時法の廃止の理由が、国家の法律的見解の変化によるものでないならば、追及効が認められるとする見解)・否定説が対立しています (いわゆる「限時法の理論」の問題。)。
 判例 (最大判昭和37年4月4日) は、新潟県道路交通取締規則 (昭和31年新潟県公安委員会規則第1号) 第8条による第二種原動機付自転車の2人乗りの禁止が同条の改正により除かれた後においても、以前の同規則違反行為については、刑の廃止があったものということはできないと判示しました。そのため、判例は、一般的に限時法の追及効を否定する態度を採るにいたっていないと理解されています。


2017.03.02 Thu l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
福岡地方は、よく晴れて、気持ちの良い一日でした。
ここ数日、確定申告やPTA関係の仕事が忙しく、結構疲れていますね。

では、講義を続けましょう。
P26の時間的適用の範囲です。
まず、法令の成立から施行までについて見ておきましょう。
1 法令の成立
(1) 法律案
 国会は、国の唯一の立法機関である (憲法41条) ことから、その構成員である国会議員には、当然法律案を発議する権利があると解されています。
 また、内閣法5条は、内閣に法律案の提出権を認めていますが、この規定について、多数説は、それが国会の議決を拘束せず、法律の成立そのものを左右するものではないことから、憲法41条に反しないと解しています。
 なお、法律案を発議する権利が濫用されないようにするため、国会法56条1項は、国会議員が法律案を発議するには、衆議院においては20人以上、参議院においては10人以上の賛成を要し、予算を伴う法律案を発議するには、衆議院においては50人以上、参議院においては20人以上の賛成を要すると規定しています。

(2) 法律の成立
 法律案は、原則として、両議院で可決したときに法律として成立します (憲法59条1項)。この段階を、法律の「制定」といういい方もされます。

2 法令の公布及び施行
(1) 総説
 成立した法律が、一般国民に対して現実的な拘束力を有するためには、それが公布され、かつ、施行されることが必要です。

(2) 法律の公布
ア 法律の公布とは
 法律の公布とは、成立した法律を公表して国民が知り得る状態におくことをいいます。

イ 手続
 法律は、内閣の助言と承認に基づいて天皇が公布します (憲法7条1号)。
 そして、官報 (=国が国民に法律の公布等を告知するための機関紙) によって国民に告知されます。
 なお、法令の公布の方法については、明治憲法下においては公式令により法令の公布は官報をもってする旨が定められていましたが、当該公式令は、日本国憲法の施行と同時 (昭和22年5月3日) に廃止され、これに代わるべき法令の公布の方法に関する一般的規定は定められていませんでした。そのため、法律の公布時期が問題とされ、判例 (最大判昭和32年12月28日) は、法令の公布は、特に国家が官報に代わる他の適当な方法をもってこれを行うものであることが明らかな場合でない限りは、従前通り、官報をもってされると判示しました。
 また、判例 (最大判昭和33年10月15日) は、成文の法令が一般的に国民に対し、現実にその拘束力を発動するためには、その法令の内容を一般国民が知ることができる状態に置かれることを前提要件とするものであるから、したがって、法令を官報により公布する場合には、一般の希望者がこれを閲覧し又は購読しようとすれば、それをすることができた最初の時点までには公布されたものと解すべきであると判示しました。

(3) 法律の施行
ア 法律の施行とは
 法律が公布されたからといって、これによって直ちに一般国民がその内容を理解することができるのは稀であるなどの理由により、一定期間経過した後に国民に対して現実的な拘束力を生ずる状態におくこととしています。これを法律の施行といいます。

イ 法律の施行期日
 法律は、当該法律に特別の定めを置いた場合を除いて、公布の日から起算して20日を経過した日から施行されます (法の適用に関する通則法2条) 。なお、特別の定めは、一般に当該法律の附則に規定が置かれます。]
 なお、法律上、公布の日に施行することは許されない旨の規定は存在しないから、公布の日から施行されることがあります。
 また、地方自治法16条3項は、「条例は、条例に特別の定があるものを除く外、公布の日から起算して10日を経過した日から、これを施行する。」と規定しています。



2017.03.01 Wed l 講義 平成29年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top