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福岡地方は、朝から雨です。
今日は小学校の卒業式で、少し残念ではありますね。

平成27年度向け参考書の校正が終わり、ここ2か月ほどは、講義、講義予習、答練向け問題作成、雑誌向け原稿執筆と忙しくしています。
講義は、昨年受講の方がみんなを引っ張ってくれていて、当方としても、とても気持ちが乗っています。また、本年度は、鹿児島から参加してくださっている方がいて、自然気合が入ります。

さて、「不動産法律セミナー5月号」(東京法経学院)向けに、法改正情報を執筆しました。そこで、その重要部分を載せておきます。
★「不動産法律セミナー5月号」には、詳細な内容、練習問題を載せておきましたので、気になる方は、そちらをご覧ください★



○総説
行政手続法の一部を改正する法律 (平成26年法律第70号。以下「改正法」といいます。) は,平成26年6月13日に公布され,平成27年4月1日から施行されました。

この法律は,行政不服審査法の改正にあわせ,処分及び行政指導に関する手続について,国民の権利利益の保護の充実を図るため,①行政指導をする際の許認可等権限・処分権限の根拠を明示する制度,②法律の要件に適合しない行政指導の中止等を求める制度,③法令に違反する事実の是正のための処分又は行政指導を求める制度を整備するものです (①及び②は,行政指導に対する救済という観点から規定された制度です。)。

平成27年度行政書士試験は,平成27年4月1日現在施行されている法令が出題されるため,この改正法も出題される範囲に入っています。

※ 行政書士試験との関連において,本改正に係る各制度の重要度を付けておきました。参考になさってください。
重要度A:出題される可能性が高い
重要度B:もしかすると出題されるかも
重要度C:出題される可能性は低い

○行政指導をする際の許認可等権限・処分権限の根拠を明示する制度  重要度B
1 改正の趣旨
 権限濫用型の行政指導(たとえば、行政指導に従わなくとも申請に係る許認可等 (たとえば,建設業の許可) が認められるのに,その行政指導に従わなければその許認可等をすることができないと相手方に告知することなど)は,行政手続法34条に違反する「違法」なものですが,その救済方法は,多様です。
 改正法は,事前手続として,行政指導に携わる者は,その行政指導をする際に,行政機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る旨を示すときは,その相手方に対して,①その権限を行使し得る根拠となる法令の条項,②その条項に規定する要件,③その権限の行使がその要件に適合する理由を示さなければならないこととし (行政手続法35条2項),行政機関の権限の濫用を抑止する規定を設けました。

2 改正法の内容
ア 義務を負う者
 ⇒行政指導に携わる者
イ 義務を負う場合
 ⇒行政指導をする際に,行政機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る旨を示すとき
ウ 義務の内容
 ⇒行政指導の相手方に対して,次の①~③の事項を示さなければなりません。
①許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る根拠となる法令の条項
②①に規定する要件
③許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限の行使が②の要件に適合する理由

○法律の要件に適合しない行政指導の中止等を求める制度  重要度A
1 改正の趣旨
 法定型の行政指導(たとえば,法律において,一定の要件に該当した場合に行政機関が「勧告」,「指導」等を行うことができる旨を規定し,さらに,これら「勧告」,「指導」等に従わない場合に「公表」,「是正命令」等ができる旨の規定がなされているもの)には、処分に近いものがあります。
 そこで,改正法は,法令に違反する行為の是正を求める行政指導 (その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。) の相手方は,当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは,その行政指導をした行政機関に対し,申出書によって,その旨を申し出て,その行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができることとし (行政手続法36条の2第1項本文,2項),その申出のあった行政機関は,必要な調査を行い,その行政指導が根拠となる法律に規定する要件に適合しないと認めるときは,その行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならないこととしました (同条3項)。

2 改正法の内容
ア 対象となる行政指導
 ⇒法令に違反する行為の是正を求める行政指導 (その根拠となる規定が法律に置かれているものに限られます)
イ 申出ができる者
 ⇒行政指導の相手方
ウ 申出の要件・内容
 ⇒行政指導がその根拠となる法律に定める要件に適合しないと思料するときは,その中止その他必要な措置をとることを求めることができます
エ 申出の手続き
 ⇒申出は,次の①~⑥を記載した申出書を提出してしなければなりません。
①申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
②その行政指導の内容
③その行政指導がその根拠とする法律の条項
④③に規定する要件
⑤その行政指導が④の要件に適合しないと思料する理由
⑥その他参考となる事項
オ 行政機関の対応
 ⇒必要な調査を行い,その行政指導がその法律に規定する要件に適合しないと認めるときは,その行政指導の中止その他必要な措置をとらなければなりません。

○法令に違反する事実の是正のための処分又は行政指導を求める制度  重要度A
1 改正の趣旨
 平成16年に行政事件訴訟法が改正され,新たな訴訟類型として義務付けの訴えが設けられました。そこで,行政不服審査法上も,これに対応する義務付けの審査請求を認めるべきではないかとの主張がなされました。
 しかし,非申請型義務付けの審査請求(=申請権を有しない者が行政庁に一定の処分をすべき旨を命ずるよう求める審査請求)は,処分に至る前の行政過程に位置づけられるものであり,法律の体系上,行政手続法の規律の対象となる事前手続に関わる問題といえます。
 そこで,改正法は,行政手続法2条3号所定の申請とは別に,何人も法令に違反する事実がある場合において,その是正のためにされるべき処分又は行政指導 (その根拠となる規定が法律に置かれているものに限られます。) がされていないと思料するときは,その処分をする権限を有する行政庁又はその行政指導をする権限を有する行政機関に対し,書面をもって,その旨を申し出て,その処分又は行政指導をすることを求めることができることとし (同法36条の3第1項,2項),その申出があったときは,その行政庁又は行政機関は,必要な調査を行い,その結果に基づき必要があると認めるときは,その処分又は行政指導をしなければならないこととしました (同条3項)。

2 改正法の内容
ア 対象となる処分等
 ⇒法令に違反する事実の是正のためにされる処分又は行政指導 (その根拠となる規定が法律に置かれているものに限られます。)
イ 申出ができる者
 ⇒法令に違反する事実があれば,何人も可能
ウ 申出の要件・内容
 ⇒法令に違反する事実がある場合において,その是正のためにされるべき処分等がされていないと思料するときは,その処分等を求めることができます。
エ 申出の手続き
 ⇒申出は,次の①~⑥を記載した申出書を提出してしなければなりません。
①申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
②法令に違反する事実の内容
③その処分又は行政指導の内容
④その処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
⑤その処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
⑥その他参考となる事項
オ 行政機関の対応
⇒必要な調査を行い,その調査の結果に基づき必要があると認めるときは,その処分又は行政指導をしなければなりません。

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2015.03.18 Wed l 行政書士試験 法改正情報 l コメント (0) トラックバック (0) l top