明日土曜日(平成23年10月22日)の10時から17時まで、標記の講義を行うことはお伝えしましたが、ただいま、ようやくレジュメを書き上げました。
この一週間、ほぼぶっとうしで書き上げ、40枚程度になりました。
内容は、東京法経学院のテキスト(229頁)とダブらないように、当方オリジナルの整理した図表を入れ、さらに、本年度出題される可能性が高い分野については、予想問題お作成しました。
問題の作成には慣れているものの、一週間で30問程度作成するのは、結構大変でした。
明日、受講生の喜ぶ顔が見たいですね。
なお、記述式についての部分を載せておきます。
問題 次の【事例】において、Xは、Yに対して、どのような権利について、どのような契約に基づき、どのような請求をすることができるか。40字程度で記述しなさい。(21‐45)
【事例】
A (会社) は、B (銀行) より消費貸借契約に基づき金銭を借り受け、その際に、X (信用保証協会) との間でBに対する信用保証委託契約を締結し、Xは、同契約に基づき、AのBに対する債務につき信用保証をした。Xは、それと同時に、Yとの間で、Aが信用保証委託契約に基づきXに対して負担する求償債務についてYが連帯保証する旨の連帯保証契約を締結した。AがBに対する上記借入債務の弁済を怠り、期限の利益を失ったので、Xは、Bに対して代位弁済をした。
1 記述式問題の解き方
(1) 問題文に素直に答えるようにする
たとえば、平成21年度 行政書士試験 問題45は、「次の【事例】において、Xは、Yに対して、どのような権利について、どのような契約に基づき、どのような請求をすることができるか。 40字程度で記述しなさい。」という問題でした。この問題に、素直に答えようとすれば、「〔 〕権について、〔 〕契約に基づき、〔 〕の請求をすることができる。」という答えになるはずです。
★ 正解例 Aに対する求償権について、XY間の連帯保証契約に基づき、連帯保証債務の履行を請求できる。(44字)
民法459条1項は、「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受け、又は主たる債務者に代わって弁済をし、その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対して求償権を有する。」と規定している。このように、XがBに対して代位弁済をすると、Xは、Aに対して求償権を取得する。Yは、この求償債務を連帯保証しているから、Xは、Yに対して、XY間の連帯保証契約に基づき、連帯保証債務の履行を請求できる。
したがって、Xは、Yに対して、「Aに対する求償権について、XY間の連帯保証契約に基づき、連帯保証債務の履行を請求できる。」
(2) キーワードを書き出す
問題文との関係において、必ず記載しなければならない用語 (いわゆる「キーワード」。たとえば、①の事例の〔 〕部分がキーワードになりますね。) を書き出し、それを文章力でスムーズにつないでください。
キーワードが正確に書けない場合は、それに近い用語でも結構だと思います。ただし、ウソは書かない。たとえば、平成21年度 行政書士試験 問題46において、「欠缺」という文字が書けないなら、あえて誤った漢字を書くより、「不存在」くらいのことを書いておけば良いかと思います。
※ 記憶が曖昧なため、正確な用語が出てこない場合に、その不正確な用語を書くか否かの問題です。たとえば、平成21年度 行政書士試験 問題44は、「Xは、外務大臣に対して旅券の発給を申請したが拒否処分をうけたため、取消訴訟を提起した。これについて、裁判所は、旅券法により義務づけられた理由の提示が不充分であるとして、請求を認容する判決をなし、これが確定した。この場合、行政事件訴訟法によれば、外務大臣は、判決のどのような効力により、どのような対応を義務づけられるか。 40字程度で記述しなさい。」という問題でした。この解答を書くに当たっては、①のとおり、「判決のどのような効力」によるのかを必ず記載しなければなりません。この点、「既判力」は、思い出すことができるが、それ以外の効力を思い出すことができない場合に、どのようにしたらよいのでしょう。これについては、資格学校の講師の間でも争いがあるところでした。この点について、当方は、今でも、迷っています。というのは、「書いていないなら、その他の点については、部分点をあげるが、誤ったことを書いているなら、たとえその他の点がきちんと書けていても、0点にする」又は「誤ったことを書いているなら減点する」という採点基準がありうるからです。したがって、現在のところ、必ず記載しなければならない用語については、誤りになる可能性が高いのなら空欄にしておく方がよいのではないかと考えています。したがって、先ほどの答えですが、「判決の 力により、判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければならない。」と書くことになりますね。
2 記述式問題の採点基準
記述式問題の採点基準は、公にされていませんが、当方が数年いろいろ試してみた結果や受験生の話を総合すると、かなり厳しい基準が採られているようです。たとえば、1問の中で、求められている事柄が二つあり、そのうちの一つが出来たからといって、半分の点数がもらえるわけではありません。部分点はあるようですが、それも雀の涙ほどで、部分点に期待しない方がよいかと思います。なお、例年のお節介を書いておきます。一昨年度試験を受験なさった方からの報告によると、▼社の無料採点では30点近くついてきたのに、合否通知書には1桁の数字しかついてこなかったそうです。
※ ウソを書いた場合、容赦はないようです (数年前に採られていた厳しい基準なら即0点)。だって、お客様に誤ったことを言って、それで損害が生じたなら、それは、当然損害賠償の対象になりますし、行政書士への信頼を失いますからね。そんな危険な行政書士を野放しにするほど、世の中は甘くはありません!!
※ 漢字の間違いについて
最も厳しい採点基準、たとえば、「誤字、脱字、略字及び文法上の誤りについては、0点とする」という採点基準が採られる可能性は否定できません。しかし、現在のように40字程度で記述させる問題になった平成18年度 行政書士試験以降、このような厳しい採点基準が採られたことはありません。もっとも、「誤字、脱字、略字及び文法上の誤りについては、▼点減点する」という採点基準をとることはあり得ます。また、「重要な法律用語を誤っていれば、0点とする」という採点基準もあり得ます。たとえば、「看做す」を「推定する」としたり、「取消しうる」を「無効になる」としたりする等です。
※ 余計なことを書いていても、誤りがなければ、部分点はつきます。ただ、字数との関係で、キィワードを落としてしまうでしょうから、その部分は得点できないことになりますね。
※ 点数は、2点刻みになっているようです。答案用紙の採点欄は、1から10までのマークシートになっていますからね。
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この一週間、ほぼぶっとうしで書き上げ、40枚程度になりました。
内容は、東京法経学院のテキスト(229頁)とダブらないように、当方オリジナルの整理した図表を入れ、さらに、本年度出題される可能性が高い分野については、予想問題お作成しました。
問題の作成には慣れているものの、一週間で30問程度作成するのは、結構大変でした。
明日、受講生の喜ぶ顔が見たいですね。
なお、記述式についての部分を載せておきます。
問題 次の【事例】において、Xは、Yに対して、どのような権利について、どのような契約に基づき、どのような請求をすることができるか。40字程度で記述しなさい。(21‐45)
【事例】
A (会社) は、B (銀行) より消費貸借契約に基づき金銭を借り受け、その際に、X (信用保証協会) との間でBに対する信用保証委託契約を締結し、Xは、同契約に基づき、AのBに対する債務につき信用保証をした。Xは、それと同時に、Yとの間で、Aが信用保証委託契約に基づきXに対して負担する求償債務についてYが連帯保証する旨の連帯保証契約を締結した。AがBに対する上記借入債務の弁済を怠り、期限の利益を失ったので、Xは、Bに対して代位弁済をした。
1 記述式問題の解き方
(1) 問題文に素直に答えるようにする
たとえば、平成21年度 行政書士試験 問題45は、「次の【事例】において、Xは、Yに対して、どのような権利について、どのような契約に基づき、どのような請求をすることができるか。 40字程度で記述しなさい。」という問題でした。この問題に、素直に答えようとすれば、「〔 〕権について、〔 〕契約に基づき、〔 〕の請求をすることができる。」という答えになるはずです。
★ 正解例 Aに対する求償権について、XY間の連帯保証契約に基づき、連帯保証債務の履行を請求できる。(44字)
民法459条1項は、「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受け、又は主たる債務者に代わって弁済をし、その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対して求償権を有する。」と規定している。このように、XがBに対して代位弁済をすると、Xは、Aに対して求償権を取得する。Yは、この求償債務を連帯保証しているから、Xは、Yに対して、XY間の連帯保証契約に基づき、連帯保証債務の履行を請求できる。
したがって、Xは、Yに対して、「Aに対する求償権について、XY間の連帯保証契約に基づき、連帯保証債務の履行を請求できる。」
(2) キーワードを書き出す
問題文との関係において、必ず記載しなければならない用語 (いわゆる「キーワード」。たとえば、①の事例の〔 〕部分がキーワードになりますね。) を書き出し、それを文章力でスムーズにつないでください。
キーワードが正確に書けない場合は、それに近い用語でも結構だと思います。ただし、ウソは書かない。たとえば、平成21年度 行政書士試験 問題46において、「欠缺」という文字が書けないなら、あえて誤った漢字を書くより、「不存在」くらいのことを書いておけば良いかと思います。
※ 記憶が曖昧なため、正確な用語が出てこない場合に、その不正確な用語を書くか否かの問題です。たとえば、平成21年度 行政書士試験 問題44は、「Xは、外務大臣に対して旅券の発給を申請したが拒否処分をうけたため、取消訴訟を提起した。これについて、裁判所は、旅券法により義務づけられた理由の提示が不充分であるとして、請求を認容する判決をなし、これが確定した。この場合、行政事件訴訟法によれば、外務大臣は、判決のどのような効力により、どのような対応を義務づけられるか。 40字程度で記述しなさい。」という問題でした。この解答を書くに当たっては、①のとおり、「判決のどのような効力」によるのかを必ず記載しなければなりません。この点、「既判力」は、思い出すことができるが、それ以外の効力を思い出すことができない場合に、どのようにしたらよいのでしょう。これについては、資格学校の講師の間でも争いがあるところでした。この点について、当方は、今でも、迷っています。というのは、「書いていないなら、その他の点については、部分点をあげるが、誤ったことを書いているなら、たとえその他の点がきちんと書けていても、0点にする」又は「誤ったことを書いているなら減点する」という採点基準がありうるからです。したがって、現在のところ、必ず記載しなければならない用語については、誤りになる可能性が高いのなら空欄にしておく方がよいのではないかと考えています。したがって、先ほどの答えですが、「判決の 力により、判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければならない。」と書くことになりますね。
2 記述式問題の採点基準
記述式問題の採点基準は、公にされていませんが、当方が数年いろいろ試してみた結果や受験生の話を総合すると、かなり厳しい基準が採られているようです。たとえば、1問の中で、求められている事柄が二つあり、そのうちの一つが出来たからといって、半分の点数がもらえるわけではありません。部分点はあるようですが、それも雀の涙ほどで、部分点に期待しない方がよいかと思います。なお、例年のお節介を書いておきます。一昨年度試験を受験なさった方からの報告によると、▼社の無料採点では30点近くついてきたのに、合否通知書には1桁の数字しかついてこなかったそうです。
※ ウソを書いた場合、容赦はないようです (数年前に採られていた厳しい基準なら即0点)。だって、お客様に誤ったことを言って、それで損害が生じたなら、それは、当然損害賠償の対象になりますし、行政書士への信頼を失いますからね。そんな危険な行政書士を野放しにするほど、世の中は甘くはありません!!
※ 漢字の間違いについて
最も厳しい採点基準、たとえば、「誤字、脱字、略字及び文法上の誤りについては、0点とする」という採点基準が採られる可能性は否定できません。しかし、現在のように40字程度で記述させる問題になった平成18年度 行政書士試験以降、このような厳しい採点基準が採られたことはありません。もっとも、「誤字、脱字、略字及び文法上の誤りについては、▼点減点する」という採点基準をとることはあり得ます。また、「重要な法律用語を誤っていれば、0点とする」という採点基準もあり得ます。たとえば、「看做す」を「推定する」としたり、「取消しうる」を「無効になる」としたりする等です。
※ 余計なことを書いていても、誤りがなければ、部分点はつきます。ただ、字数との関係で、キィワードを落としてしまうでしょうから、その部分は得点できないことになりますね。
※ 点数は、2点刻みになっているようです。答案用紙の採点欄は、1から10までのマークシートになっていますからね。
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