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平成18年度 行政書士試験 問題55は、「個人情報保護と通信の秘密」に関する問題でした。

正解肢が問うものは、個人情報保護法の基本知識に属するものであり、得点すべきでした。

なお、市販の過去問の解説の中には、根拠となる条文を挙げてあるものはまだしも(それでさえ、必要な条文をすべて挙げていません)、結論のみで、解説を書いていないものがありました。
時間や紙幅が足らないのでしょうけど、もうちょっと努力して欲しいですね。

では、平成18年度 行政書士試験 問題55の解答解説を載せておきます。






問題55 通信の秘密と個人情報の保護に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 個人情報保護法が私人に対しても適用されるのに比べ、通信の秘密の法理は、公権力による通信の侵害にのみ適用され、私人による通信の秘密の侵害には適用されない。

2 通信の秘密を保護する義務は、回線を保有管理する電気通信事業者には課せられるが、回線を利用するに過ぎない電気通信事業者(プロバイダ)は、個人情報保護法の適用は受けても、通信の秘密を保護する義務は負わない。

3 通信にかかる個人の秘密は個人情報保護法によっても保護されるが、通信にかかる法人の秘密は、通信の秘密の法理により保護される。

4 個人の秘密に関する情報の漏洩は個人情報保護法により刑事罰の対象となるが、通信の秘密を侵害しただけでは刑事罰の対象とはならない。

5 受信者が個人情報保護法に基づき匿名通信の発信者情報の開示を求めた場合には、発信者の通信にかかる通信の秘密は保護されない。








問題55 正解 3
1 妥当でない。
 通信の秘密の法理とは、①通信検閲の禁止 (郵便法7条、電気通信事業法3条)、②通信の秘密の保護 (郵便法8条1項、電気通信事業法4条1項)、③通信業務従事者の漏えい行為の禁止 (郵便法8条2項、電気通信事業法4条2項) を内容とするものと解され、①については、行政権が主体となって行うものに限られると解されているが、②及び③については、私人についても適用される。
なお、個人情報保護法は、国又は地方公共団体の責務等について規定する (同法7条~14条) ほか、私人である個人情報取扱事業者の義務等についても規定している (同法15条~) から、本肢前半部分は妥当である。

2 妥当でない。
 電気通信事業法4条2項は、「電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。」と規定し、同法2条4号は、この法律において電気通信事業とは、電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業をいうと規定している。このように、通信の秘密を保護する義務は、回線を保有管理する電気通信事業者だけでなく、回線を利用するに過ぎない電気通信事業者 (プロバイダ) にも課せられる。
 なお、個人情報保護法2条3項本文は、「この法律において『個人情報取扱事業者』とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。」と規定している。このように、回線を保有管理する電気通信事業者だけでなく、回線を利用するに過ぎない電気通信事業者 (プロバイダ) も個人情報保護法の適用を受けるから、本肢の個人情報保護法に関する部分の記述は妥当である。

3 妥当である。
 個人情報保護法2条1項は、「この法律において『個人情報』とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの (他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。) をいう。」と規定している。このように、個人情報保護法の対象となるのは、個人に関する情報に限られる。
 これに対して、通信の秘密の法理の対象となるのは、個人の秘密に限られず、法人の秘密もこの法理により保護される。

4 妥当でない。
 個人情報保護法は、個人の秘密に関する情報の漏えい行為を処罰する規定を置いていない。
また、通信の秘密を侵害する行為は、刑事罰の対象となっている。たとえば、電気通信事業法179条1項は、「電気通信事業者の取扱中に係る通信 (第164条第2項に規定する通信を含む。) の秘密を侵した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」と規定している。

5 妥当でない。
 個人情報保護法25条1項本文は、「個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの開示 (当該本人が識別される保有個人データが存在しないときにその旨を知らせることを含む。以下同じ。) を求められたときは、本人に対し、政令で定める方法により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない。」と規定しているが、受信者との関係において、発信者情報は、当該本人が識別される保有個人データに含まれないと解される。
したがって、個人情報保護法に基づいて匿名通信の発信者情報の開示を求めることはできず、発信者の通信に係る通信の秘密は保護される。

■ 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 (「プロバイダ責任制限法」と略称される。) 4条1項は、「特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、①侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき、②当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるときのいずれにも該当するときに限り、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者 (以下「開示関係役務提供者」という。) に対し、当該開示関係役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報 (氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるものをいう。) の開示を請求することができると規定している。

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2009.09.16 Wed l 行政書士試験 平成18年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
平成18年度 行政書士試験 問題54は、「電子署名」に関する正誤問題でした。

正解肢は、受験生の基本知識に属するものですので、得点すべき問題でした。

なお、市販の過去問の中には、解説が誤っているもの、解説を書いていないものが結構ありました。
電子署名法や公的個人認証法については、コンメンタールがないことと、問題自体が法律に規定されていない部分を問うものであることに原因があるようです。

受験生の常識として、次の大枠を知っておかなければなりません。
・行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(いわゆる行政手続オンライン化法)
 ⇒行政手続のオンライン申請等を可能にするもの

・電子署名及び認証業務に関する法律 (いわゆる電子署名法)
 ⇒オンライン申請の際の電子署名とその認証に関するもの
  ※ 電子署名(わかり易くいえば、暗号技術)だけでは、内容の改ざんは防げるものの、なりすましを防ぐことはできない。そこで、その認証制度が必要になる。認証機関を利用した電子署名により、内容の改ざんやなりすましを防止することができる。

・電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律 (いわゆる公的個人認証法)
 ⇒電子署名法によって、既に民間企業が電子署名の認証業務を行っていたが、地理的条件等による利用格差が発生しないような形で認証サービスを提供するため、公的機関が認証サービスを提供することとなった。

なお、次のウェブサイトは、資格学校の授業より100倍わかりやすいと思いますので、この分野が苦手な方は、参考にされるとよいでしょう。
商業登記に基づく電子認証制度



では、平成18年度 行政書士試験 問題54の解答解説を載せておきます。



問題54 電子署名に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1 オンライン申請においてなりすましを防止するために、私人のみならず行政機関も電子署名法*に基づき認証事業者から取得した証明書を利用しなければならない。

2 地方公共団体が発行する公的個人認証の証明書は、行政機関に対してのみならず、一般の民間企業とのオンライン手続においても用いることができる。

3 電子署名法に基づき、認証事業者は、自然人および法人の本人性の確認をするサービスを行うことができる。

4 法人の電子署名については、商業登記法に基づき法務省の登記官が作成した電子証明書を利用することができる。

5 地方公共団体の発行する公的個人認証の証明書は、私人の本人性確認と地方公共団体自身の組織認証のために用いられる。

(注) *電子署名及び認証業務に関する法律





問題54 正解 4
1 妥当でない。
 電子署名及び認証業務に関する法律 (以下「電子署名法」という。) 2条2項は、「この法律において『認証業務』とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用する者 (以下『利用者』という。) その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明する業務をいう。」と規定し、同条3項は、「この法律において『特定認証業務』とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう。」と規定している。このように、電子署名法は、オンライン申請においてなりすまし (=申請者でない者が申請者であると偽ること) を防止するために、特定認証業務を行う者 (以下「認証事業者」という。) が発行する証明書を利用することを予定している。ただし、行政機関については、オンラインによる許認可等の申請に対する結果の通知等の作成者が処分権者であること (及びその結果の通知等の内容が改ざんされていないこと) を証明するために、政府共用認証局が処分権者である大臣等の官職証明書を発行しているため、電子署名法に基づく制度は利用されない。

■ 政府認証基盤 (Government Public Key Infrastructure。「GPKI」と略称される。) とは、国民等から行政機関に対する申請・届出等や、行政機関から国民等への申請・届出等に対する結果の通知等を、インターネットを利用しペーパーレスで行うことを目的として、申請・届出等やその結果の通知等が、真にその名義人 (申請者や行政機関の処分権者) によって作成されたものか、申請書や通知文書の内容が改ざんされていないかを確認する行政機関側の仕組みとして整備されたものである。
 この政府認証基盤は、次の二つによって構成されている。
① ブリッジ認証局
 ブリッジ認証局は、行政機関側の認証局と民間認証局等との間の信頼関係 (以下「相互認証」という。) を仲介することにより、行政機関側の認証局と民間認証局とが個別に相互認証することの煩雑さを解消するために設けられた。
行政機関側の認証局が発行する処分権者の公開鍵証明書 (以下「官職証明書」という。) 及びその失効情報を一元的に提供することにより、申請者は、当該官職証明書の有効性の検証を効率的に行うことができる。
 また、ブリッジ認証局は、民間認証局等が発行する申請者の公開鍵証明書 (以下「申請者証明書」という。) の有効性検証機能を各府省に対して提供することにより、政府認証基盤全体の効率的な構築・運用を可能なものとしている。
② 政府共用認証局
 政府共用認証局は、申請者に対する結果の通知等の作成者が処分権者であること及び結果の通知等の内容が改ざんされていないことを証明するため、処分権者である大臣等の官職証明書を発行している。
 なお、申請者に対しては、電子認証登記所や民間認証局から申請者証明書が発行されます。

2 妥当でない。
 電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律 (以下「公的個人認証法」という。) 17条1項は、①行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律 (以下「情報通信技術利用法」という。) 2条2号に規定する行政機関等 (以下「行政機関等」という。)、②裁判所、③行政機関等に対する申請、届出その他の手続に随伴して必要となる事項につき、電磁的方式により提供を受け、行政機関等に対し自らこれを提供し、又はその照会に応じて回答する業務を行う者として行政庁が法律の規定に基づき指定し、登録し、認定し、又は承認した者、④電子署名及び認証業務に関する法律 (以下「電子署名法」という。) 8条に規定する認定認証事業者、⑤電子署名法2条3項に規定する特定認証業務を行う者であって政令で定める基準に適合するものとして総務大臣が認定する者、⑥行政機関等及び裁判所に対する申請、届出その他の手続に必要な電磁的記録を提供する団体で政令で定めるものは、利用者から通知された電子署名が行われた情報について当該利用者が当該電子署名を行ったことを確認するため、都道府県知事に対して次条1項の規定による同項に規定する保存期間に係る失効情報の提供及び同条2項の規定による同項に規定する保存期間に係る失効情報ファイルの提供を求めようとする場合 (④及び⑤の者にあっては電子署名法2条3項に規定する特定認証業務を行う場合に、⑥の団体にあっては行政機関等及び裁判所に対する申請、届出その他の手続に必要な電磁的記録を提供する場合に限る。) には、あらかじめ、当該都道府県知事に対し、総務省令で定めるところにより、これらの提供を求める旨の届出をしなければならないと規定している。このように、地方公共団体が発行する公的個人認証の証明書は、行政機関等、裁判所等において用いることを予定している。
 したがって、地方公共団体が発行する公的個人認証の証明書は、一般の民間企業とのオンライン手続において用いることができるわけではない。

3 妥当でない。
 電子署名法2条2項は、「この法律において『認証業務』とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用する者 (以下『利用者』という。) その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明する業務をいう。」と規定し、同条3項は、「この法律において『特定認証業務』とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう。」と規定している。このように、電子署名法の規定に基づき認証事業者が行いうるのは、利用者の本人性の証明である。ただし、法人の本人性の証明については、電子認証登記所の登記官が作成した電子証明書を利用するため、電子署名法に基づく制度は利用されない。
 したがって、電子署名法の規定に基づき、認証事業者は、法人の本人性の確認をするサービスを行うことができるとしている点が妥当でない。

4 妥当である。
 法人の電子署名については、商業登記法に基づき、法務省が所管する電子認証登記所の登記官が作成した電子証明書を利用することができる (同法12条の2第1項1号、3項)。

■ 当該電子証明書により、法人格の存在の証明、代表権限の証明及び本人性の証明をすることができる。

5 妥当でない。
 公的個人認証法2条2項は、「この法律において『認証業務』とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用する者 (以下『利用者』という。)、第17条第4項に規定する署名検証者又は同条第6項に規定する団体署名検証者の求めに応じて行う利用者署名検証符号 (当該利用者が電子署名を行うために用いる符号 (以下『利用者署名符号』という。) と総務省令で定めるところにより対応する符号であって、当該電子署名が当該利用者署名符号を用いて行われたものであることを確認するために用いられるものをいう。以下同じ。) が当該利用者に係るものであることの証明に関する業務をいう。」と規定している。このように、地方公共団体の発行する公的個人認証の電子証明書は、利用者の本人性の証明のために用いられる。ただし、地方公共団体自身の組織認証については、地方公共団体組織認証基盤によって行われているので、公的個人認証法に基づく制度は利用されない。
 したがって、地方公共団体の発行する公的個人認証の電子証明書は、地方公共団体自身の組織認証のために用いられるとしている点が妥当でない。

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2009.09.15 Tue l 行政書士試験 平成18年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
平成18年度 行政書士試験 問題53は、「ファイル交換ソフト」に関する問題でした。

本問出題数年前からその問題性が指摘され、大衆紙をにぎわせていたものであり、行政書士試験では、話題から数年して出題されるという掟は、生きていました(予想問題を出題して、数年して本試験で同じテーマの問題が出題されることをよく経験しました)。

正解肢は、受験生でなくとも一般人の常識レベルであり、得点すべき問題です。

では、平成18年度 行政書士試験 問題53の解答解説を載せておきます。






問題53 次のファイル交換ソフトに関する記述のうち、妥当でないものはどれか。

1 接続しているユーザーの情報やファイルのリストを中央サーバーが管理し、ファイルの転送のみを利用者間で直接行う中央サーバー型システムと、まったくサーバーを持たず、すべての情報がバケツリレー式に利用者の間で流通する純粋型システムが存在する。

2 不特定多数のコンピュータ間で匿名性の高いファイル交換を行うために、指定したファイルを直接受信せず、一度別のコンピュータを経由する転送機能を有するソフトも存在している。

3 ファイル交換ソフト自体は公開するファイル、公開しないファイルを指定できる仕組みとなっているが、ファイル交換ソフトが暴露ウィルスに感染してしまった時には本来非公開の個人情報や内部資料をネットワーク上に流出させてしまうことがある。

4 ファイル交換ソフトは、著作権侵害をはじめとする違法な情報流通の温床になっているとして強い非難の対象となっている。実際、日本でも近年ファイル交換ソフトの開発者のなかに逮捕された者もいる。

5 ファイル交換の原理自体は非常に有用であるため、多くの学校や公的機関で、公文書の交換にその利用が近年急増している。これが個人情報流出の遠因となっているとも指摘されている。




問題53 正解 5
1 妥当である。
 ファイル交換ソフトにおけるファイル交換・共有方法には、インターネットに接続しているユーザーのファイル等を中央サーバが管理する中央サーバ型、Winnyのように、まったくサーバを持たず、ファイル等のすべての情報がバケツリレー式にユーザー間で流通する純粋型 (ピュアP2P (=P2Pとは、「Peer to Peer」の略称である。) とも呼ばれる。)、WinMXのように中央サーバ型と純粋型の両方を併せ持つもの等がある。

■ ファイル交換ソフトとは、不特定多数人のユーザー (利用者) をつないでファイル (=コンピュータ等に保管されたデータの集合体) を交換・共有するためのソフトウェアをいう。

■ P2Pとは、インターネット上において、対等な関係にある (Peer) 端末間を直接相互に接続し、ファイル等をやり取りする方式をいう (イメージとしては、複数の端末が網の目のように結ばれる形となる。)。P2Pには、IP電話等のように特定の利用者間を1対1で結んで音声等の送受信を行うもの、インターネット放送のように利用者がバケツリレー式に別の利用者に映像等のコピーを送信するもの、ファイル交換ソフトのように不特定多数人の利用者を匿名でつないでお互いにファイル等を交換するもの等がある。

■ P2Pに対比される方式が、クライアントサーバ方式である。この方式は、ファイル等を送る複数の端末 (クライアント) とそのファイル等を蓄積する1台のサーバによるシステムであり、通例サーバのURL (Uniform Resource Locatorの略称である。インターネット上に散在する情報が、ネットワーク上のどこにあるかを特定するための簡単な文字列をいう。わかりやすく言えば、インターネット上における情報の住所のようなものである。) が広く公開されており、このURLに対して、複数の端末がアクセスするという形態を取る (イメージとしては、1台のサーバと複数の端末が放射状に結ばれる形となる。)。この方式では、基本的に、サーバとクライアントとサーバとの間でファイル等のやり取りが行われ、サーバがファイル等を一極集中管理している。このため、ファイル等の転送は、すべてサーバ経由になるため、①負担がサーバに集中し、全体としてのファイル流通能力は、サーバの能力に依存することになる、②ユーザー情報、ファイルリスト、転送情報等をすべてサーバが把握できるため、匿名性は低い、③ファイルの変更等が即座に反映される等のリアルタイム性の点で優っている等の特徴を有している。

2 妥当である。
 指定したファイルを直接受信せず、一度第三者のコンピュータに送信させてから受信するという転送機能を有するソフトがある。このように、第三者を経由することにより匿名性を高めることができるとされている。

3 妥当である。
 ファイル交換ソフト自体は、公開するファイル、公開しないファイルを指定できる仕組みとなっている。しかし、ファイル交換ソフトが暴露ウィルスに感染した場合には、個人情報や内部資料等の公開したくないファイルについても、ネットワーク上に流出してしまうことがある。

4 妥当である。
 ファイル交換ソフトは、著作権侵害をはじめとする違法な情報流通の温床になっている。具体例としては、自宅のパソコンにおいて、A社が著作権を有する地図ソフトウェアを、権利者に無断でファイル交換ソフトを通じて不特定多数人のユーザーに対して送信できるようにした者が、A社の著作権 (公衆送信権) を侵害したとして逮捕された。
また、日本でも、ファイル交換ソフトWinnyを開発・公開した行為が著作権 (公衆送信権) 等侵害罪 (著作権法119条1項) の幇助に当たるとして、その開発者が逮捕・起訴され、有罪判決を受けた (ただし、現在係争中)。

■ 著作権法
第23条 (公衆送信権等)
1 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
2 〔省略〕
第119条〔著作権等侵害罪〕
1 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者 (〔中略〕) は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 〔省略〕

5 妥当でない。
 ファイル交換ソフトが多くの学校や公的機関で、公文書の交換にその利用が近年急増しているという事実は存在しない。
 なお、ファイルを交換・共有することにより、①入手しにくい音楽や映像を入手できる、②普段なら買わないようなものを試しに視聴できる等のメリットがある。したがって、ファイル交換・共有の原理自体は、非常に有用である。しかし、前述のような著作権侵害の事例や個人情報や内部資料等のファイルが暴露ウイルス等によって不特定多数人が入手可能な状態になった事例等のようにいまだに多くの問題点を有している。このため、特に個人情報の管理に厳格でなければならない学校や公的機関にあっては、原則として、その使用を禁止しているところが多い。

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2009.09.10 Thu l 行政書士試験 平成18年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
平成18年度 行政書士試験 問題52は、「海洋」に関する正誤問題でした。

領海12カイリ、排他的経済水域200カイリは、受験生でなくとも知っているレベルですから、必ず得点すべきでした。

なお、市販の過去問の中には、国連海洋法条約について、きちんとした記述をしたものが少ないですね。
一般知識等であっても、条文が出題の基となっているときには、条文を挙げるべきだと考えます。

では、平成18年度 行政書士試験 問題52の解答解説を載せておきます。





問題52 海洋に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 領海とは、沿岸国の領域の一部を構成する海域の部分で、いずれの国も沿岸に引かれる基線から測定して12カイリを超えない範囲で領海の幅を定めることができる。

2 世界の海洋のうち、沿岸国の領海と排他的経済水域を除いた部分が公海であり、公海自由の原則が適用される。

3 排他的経済水域は、基線より測って沖合100カイリまでの海域に設定することができる。

4 沿岸国は、排他的経済水域にあるすべての天然資源の探査・開発のための主権的権利を有する。

5 排他的経済水域においては、沿岸国だけでなくすべての国が、航行および上空飛行の自由ならびに海底電線・海底パイプライン敷設の自由を亨有する。






問題52 正解 3
■ 領海に関する国際連合条約 (以下「国連海洋法条約」という。) は、1982 (昭和57) 年12月にジャマイカにおいて開催された第3次国際連合海洋法会議最終議定書及び条約の署名会議において採択され、1984 (昭和59) 年までの署名開放期間中に159か国が署名 (わが国は、1983 (昭和58) 年2月に署名) し、1993 (平成5) 年11月に発効した。わが国は、1996 (平成8) 年6月に同条約を批准し、同年7月12日に同条約は公布され、同月20日 (国民の祝日である「海の日」に当たる。) に我が国について発効した。

1 正しい。
領海とは、沿岸国の領域の一部を構成する海域の部分をいう。そして、国連海洋法条約3条は「いずれの国も、この条約の定めるところにより決定される基線から測定して12海里を超えない範囲でその領海の幅を定める権利を有する。」と規定している。

2 正しい。
国連海洋法条約86条は、公海とは、いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国の群島水域にも含まれない海洋のすべての部分としている。そして、同法87条1項は、公海自由の原則を規定している。

■ 国連海洋法条約87条1項は、公海の自由には、沿岸国及び内陸国のいずれについても、①航行の自由、②上空飛行の自由、③海底電線及び海底パイプラインを敷設する自由、④国際法によって認められる人工島その他の施設を建設する自由、⑤第2節に定める条件に従って漁獲を行う自由、⑥科学的調査を行う自由が含まれると規定している。

3 誤り。
国連海洋法条約57条は、「排他的経済水域は、領海の幅を測定するための基線から200海里を超えて拡張してはならない。」と規定している。
したがって、「100カイリ」ではなく、「200カイリ」が正しい。

■ 国連海洋法条約55条前段は、「排他的経済水域とは、領海に接続する水域であって、この部に定める特別の法制度によるものをいう。」と規定している。

4 正しい。
 国連海洋法条約56条1項は、沿岸国は、排他的経済水域において、①海底の上部水域並びに海底及びその下の天然資源 (生物資源であるか非生物資源であるかを問わない。) の探査、開発、保存及び管理のための主権的権利並びに排他的経済水域における経済的な目的で行われる探査及び開発のためのその他の活動 (海水、海流及び風からのエネルギーの生産等) に関する主権的権利、②この条約の関連する規定に基づく、() 人工島、施設及び構築物の設置及び利用、() 海洋の科学的調査、() 海洋環境の保護及び保全次の事項に関する管轄権、③この条約に定めるその他の権利及び義務を有すると規定している。

5 正しい。
 国連海洋法条約58条1項は、「すべての国は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、排他的経済水域において、この条約の関連する規定に定めるところにより、第87条に定める航行及び上空飛行の自由並びに海底電線及び海底パイプラインの敷設の自由並びにこれらの自由に関連し及びこの条約のその他の規定と両立するその他の国際的に適法な海洋の利用 (船舶及び航空機の運航並びに海底電線及び海底パイプラインの運用に係る海洋の利用等) の自由を享有する。」と規定している。

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2009.09.08 Tue l 行政書士試験 平成18年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top
平成18年度 行政書士試験 問題51は、「日本における高齢化・少子化現象」に関する空欄補充問題でした。

空欄イは、受験生の常識でしょうが、空欄ウ及び空欄エがわかるかが、本問の分かれ目でしょう。
近時の事柄なので、毎年の数値を把握していれば、何とか推測できるように思います。

なお、市販の過去問の中には、解説を書いていないもの、余事記載が多いもの、数字を挙げていないもの等がありました。数字を挙げて解説をかかないものは、条文を挙げていない法律の解説みたいなもので、当方には、不思議で仕方ありません。

では、平成18年度 行政書士試験 問題51の解答解説を載せておきます。




問題51 日本における高齢化・少子化現象に関する次の記述の空欄 [ ア ] ~ [ エ ] に当てはまる数値の組合せとして、正しいものはどれか。

 日本の高齢化率 (65歳以上の人口が総人口に占める割合) の最低値は、1935年 (昭和10年) の [ ア ] %であった。その一方で、出生率の低下は戦前から始まっていたが、1940年代後半のベビーブームでは出生数が年間約 [ イ ] 万人に達した。その後1950年代以降、合計特殊出生率は急激に低下しはじめ、昭和から平成に移った1989年には、「丙午(ひのえうま)」の年の数値を下回る [ ウ ] に落ち込んだ。他方で、死亡率の改善等により高齢化が進んでおり、2004年 (平成16年) には高齢化率が [ エ ] %へと上昇した。高齢化率は今後も上昇し続け、2025年 (平成37年) には30%程度になると予想されている。

   ア    イ    ウ     エ
1 11.3   270   2.7    19.5
2  4.7   410   2.7    19.5
3  4.7   270   1.57   19.5
4  4.7   410   1.57   24.9
5 11.3   410   1.57   24.9







問題51 正解 3
ア 4.7
 日本の高齢化の推移と将来推計は、次のとおりである。
1900
1910
1920
1930
1935
1940
1950
1960
1970
1980
高齢化率
5.5
5.3
5.3
4.8
4.7
4.8
4.9
5.7
7.1
9.1
1990
2000
2010
2020
2030
2040
2050
 
 
 
高齢化率
12.0
17.3
22.5
27.8
29.6
33.2
37.5
 
 
 

 

 


 このように、日本の高齢化率 (65歳以上の人口が総人口に占める割合) の最低値は、1935 (昭和10) 年の4.7%である。
 したがって、空欄アは、4.7である。

イ 270
 1940年代後半の出生数は、次のとおりである。
1947
1948
1949
出生数
267.9
268.2
269.7

 このように、1940年代後半のベビーブームでは、出生数が年間約270万人に達した。
 したがって、空欄イは270である。

ウ 1.57
 1950年代以降の合計特殊出生率は、次のとおりである。
1950
1955
1960
1965
1966
1970
1975
1980
1985
合計特殊出生率
3.65
2.37
2.00
2.14
2.58
2.13
1.91
1.75
1.76
1989
1990
1995
2000
2004
 
 
 
 
合計特殊出生率
1.57
1.54
1.42
1.36
1.29
 
 
 
 

 このように、1950年代以降、合計特殊出生率は急激に低下しはじめ、昭和から平成に移った1989年には、1966年の丙午の年の数値1.58を下回る1.57に落ち込んだ。
 したがって、空欄ウは、1.57である。

エ 19.5
 日本の高齢化の推移と将来推計については、肢アの解説のとおりである。
 このように、2004 (平成16) 年には、高齢化率が19.5%となった。
 したがって、空欄ウは、19.5である。

以上により、正解は3になる。

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2009.09.08 Tue l 行政書士試験 平成18年度 l コメント (0) トラックバック (0) l top